第三章 伝説の魔法使いと恋の始まり

第7話 伝説と輪廻転生

光によると、私と光は社会の授業で習うような、伝説の魔法使い、

日谷ヒナタと月影ルナの生まれ変わりらしい。

「わ…私があの伝説の月影ルナの生まれ変わり…?信じられない…‼」

「う~んとじゃあ…絆は何部?」

「えっと…弓道部だけど…」

「そこも前世と関係があるんだ。ルナさんの専用魔具は弓矢だったんだよ。」

「そうだったの?私がルナさんの生まれ変わりだから、月の魔力、弓道部、って

事なの?あっ‼そういえば今日は魔具を作る日だっけ‼」

「じゃあ今日明らかになるんじゃない?」

「…!取りあえず体育館に向かおう‼」


私達三人は、特別授業、普段ローブに付いている魔法石を魔具へと変える授業を

行った。

「緊張する…私のローズクォーツ、何になるんだろ…」

「私のペリドットもだよ。何になるんだろーなー。かっこいいのが良いなー。」

二人はどんな魔具か気になっていたが、私は一つ疑問に思った。

「ねぇ、私の魔法石、どっちが変わるんだろ。」

「「あ。」」

私の普段の魔法石はアクアマリンだが、今は時々ムーンストーンへと変わっている。

これはどちらなのだろう。

「大丈夫!そこに関しては、絆のムーンストーンが変わるから。」

「えっ⁉なんでいるの?!」

「いや一年生全員合同授業じゃん。」

「ああ…そうか…」

今回の授業は一年生の行事。光とは同い年だから、今回一緒にいる。

「ちなみにだけど、ヒナタ、まあ俺の魔具は剣だった!」

「あれ?そういえば、なんで光はヒナタさんの時の記憶あるの?」

「俺は絆に出会ってから数日後に太陽サンの魔力に目覚めて、その

また数日後に記憶が蘇ってきたんだ。だから俺…」

光は一瞬黙ったかと思うと、私に近づいてきて、耳打ちした。

「初めて絆に会った時、少しだけ『運命』感じちゃってたかも。」

「…‼」

「じゃあ、また後で‼」

私は混乱していた。運命⁉よく分からない!フウカに聞いたことがある。

『現彼氏と出会った時にね!運命感じちゃった‼この人、私の運命の人‼って‼』

フウカと光が言っていた事とはこの事なの⁉

「おーい絆~?行くよ~?」

「えっ⁉あっ、うん‼今行く!」

私は先程の事は考えないようにして、フウカ達を追いかけ、体育館へと向かった。


「さて皆さん、今からそれぞれのローブに付いている魔法石を、魔具に変えて

もらいます。皆さん、準備は良いですか?」

「「「「はい‼」」」」

「それでは各自始めて下さい。」

  ガヤガヤ

体育館内が騒がしくなってきた。皆、魔具を作る事を楽しんでいるよう。

私もムーンストーンを手のひらに乗せ、魔力を込め始める。

数分後、ムーンストーンが光り始め、形ができていった。

そして私の魔具は、〈弓矢〉だった。

「えっ…!」

私が驚いていると、先に魔具を作った二人が、私のもとへやって来た。

「あ…本当に弓矢になった…ちなみに私のはクナイ…」

「私は双剣だった!かっこいい~!」

「あ…二人共…」

「やっぱり弓矢だったね。」

「あ、光。うん。そうなんだー。」

「ちなみに俺も剣だった!だ・か・ら!絆もその内記憶!蘇っちゃうかもね!」

光は元の場所へと戻った。その時私は頭痛がした。

「っ…」

「ん?絆?大丈夫?」

「うん…少し頭痛がしただけ。」

フウカにはごまかしたが、実は私は、ルナの時の記憶が、少しだけ蘇っていた。

私は…光…ヒナタの恋人だった…!

信じられなかった。恋になんて興味がない私が、現在人気者の光の恋人だった

なんて…‼

ー私はこの時思いもよらなかった。恋を知らない私が、

                 『恋』という感情に気づいてしまうなんてー














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