第36話 ラグブルグ島
「おい、レイヤから離れろ」
「いやぁん!ひ、酷い!運命の相手と引き裂かすなんて酷い」
金髪ドリルの少女はレイヤの腕に抱きついていた。クロエは無理矢理引き剥がそうとするが、全然離れてくれない。その遠くでフウカはレイヤを睨みつけていた。
「悪いが離れてくれないか?...なんか、クロエが嫌がってるし、フウカにも睨みつけられてるし...」
「シクシク、私の想いより、その2人の方が大切なんですか?」
「え?うん。フウカとクロエは、俺にとって大切だぞ?」
「「...」」
「お、おい。アマリー。あまり、恩人に迷惑かけるな。はやくこっちに来い」
「はい...」
アマリーと呼ばれる少女はトコトコと中年おっさんの後ろに行くのだった。
「娘の御無礼を許して欲しい。私はリプレル商団のカネアゲ=リプレルです。娘と我船を助けて頂きありがとうございます。何かお礼をさせて欲しいです」
「あー、なら。ラグブルグ島の場所まで教えて欲しいんだ。今迷子になってて困ってるん所なんです」
「「え?」」
レイヤ達の目的の場所を聞いたカネアゲとアマリー目を合わせて何か驚いた様な顔になっていた。
「あははは」
「どうしたんですか?」
カネアゲが高笑いをしだす。
「まずは、ご恩人に!敬語は不要です!対等な関係で接して欲しい」
「まぁ、そう言うなら良いけど...」
「それで、ラグブルグ島に向かいたいのですよね?これも何かの縁なんでしょうね。今私達が向かっている島もラグブルグ島なんですよ。ご案内します!」
そしてカネアゲは案内をするとレイヤは、カネアゲの船を後に追う様にラグブルグ島に向かう。
その間レイヤ達はカネアゲからラグブルグ島で開く拳王大会の歴史を聞いていた。
ここラグブルグ島は、役200年前の大昔一つの小国があった。そこに1人の国王は武を極め、世界中の猛者達と戦うのが夢だと語る。
そしてその夢を叶える為に一つの
だが、その国王は武を極めたいだけであって、人を殺す事を嫌っていた事から、国王が本人が得物を持たずその身一つで戦う事からルールは武器を持たず拳一つだけで殴り合うとシンプルな大会になった。
だな、開催される闘技大会で、その熱き戦いが世界中の人々が心を打たれる。国王はたった拳だけで千試合、いや一万試合と無敗のチャンピオンとして君臨し続けた男を倒したい者、その拳を見たい者が集まり、いつしか小国だった小さな国が大国と並ぶほど栄えていく。
「そして、その国王の名前はリオニダス国王...又は拳王と呼ばれていました」
「リオニダス...聞いた事あります。確か過去歴史で最も強いと言われている最強軍団『スパルタ』を率いり、たった5千人の兵で、20万と超える兵力と渡り合ったと聞きました」
「そうなんです、しかもその時の戦争で言い放った言葉は、『相手が何十倍以上いるなら、1人10人以上倒せば良い!』と言ったらしいのですよ。この島では拳王と呼ばれいますが、戦場では脳筋戦士などと言われているそうです」
「へぇ、意外と奥深い歴史があるんだな」
レイヤは操縦しながら、ラグブルグ島の歴史を聞いていた。
「はっはっは、そうなんですよ。その歴史があるこそ、私たちの故郷ラグブルグ島は盛んになったのです。その大会は世界中の腕に自身がある拳闘士が集まり、観客総動員数に関しては100万以上もいると、超大規模な闘技大会なんです。我々リプレル商団はこの大会の期間の一ヶ月の為に他の島に食料を調達し、戻ってきた所に大喰らいに襲われていたのです...そこを、レイヤさんが助けてくれました。本当に感謝しております。感謝の印にこれをどうぞ」
「ん?」
レイヤは金色のカードを受け取る。
「なにこれ?」
「それはリプレル商団の特別なカードでして、それをリプレル商団の屋台に見せれば食事が半額になります。そのカードを差し出します」
「え?!マジ!こんなもん貰って良いの?!」
「はい。貰った恩と比べればちっぽけなものですが。是非受け取って下さい」
レイヤは金色に輝くカードと同じように、目をキラキラと輝かせながらカードを見つめていた。
「あっ、もうそろ着くから、フウカ。リンを起こしてやってくれ」
「はい、分かりました」
「リンとは?」
フウカはリンを起こしに行く。
お互いある程度の自己紹介をしたが、知らない名前が出た事にカネアゲが聞く。
「まぁ、この船のリーダーって所だ。このカードに1番嬉しむであろう人物だ。だから、感謝するよ。ありがとう」
レイヤはにっこりと笑うのだった。
そして、たどり着いたラグブルグ島。一体どんな強敵が待っているのか、一体レイヤはこの島で誰を探しているのだろうか...リンを起こし、ラグブルグ島に上陸するのであった。
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