【046】ひたすらに不思議、それでも吸い付くように読むのを止められない

 仕事のできる年上の優秀な部下。彼に限らず、彼と同郷の人々はみな優秀であるという。自分たちと等しく教育を受けているはずなのに何故なのか。その秘訣は休日の過ごし方にあるのではと考えた主人公が、彼の故郷を案内してもらう一日を描いた短編です。

 異世界ファンタジーですが、SFのような雰囲気もある。現実世界に近い空気も感じるのに、浮世離れもしている。不思議というほかない読み口の作品です。

 私は曖昧な世界観というのを読み解くのが苦手で、普段はあまり読みません。だけど、処々で挟み込まれる「とある効果音」が妙に耳に残る気がするのです。この空気感にたまらなく惹かれてしまってそのまま読み返し、再び世界に浸らせていただきました。

 彼の故郷に隠されている謎。いえ、隠しているわけではないのでしょう。その『地域』に関心を向けてしまった人間を取り込もうとする何か。取り込まれた後にはどうなってしまうのか――。

 

 気になってしまったあなたはその『地域』に向いているのかもしれません。それはご自身のその目で確かめてみませんか。

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