れい　血では満たされない、夏

ひとつ　翠良尾瀬（みすらおぜ）では死者が待つ

ふたつ　神さまが祟るまで

みっつ　人魚の果てざねを、返し入れ奉れ

あかかおんについて

よっつ　これは告発ではない

いつつ　彼女はすべて赦してくれた

むつ　穢土（おど）果つるまで、降り注ぐ

あけぼの団地付近で不審火

なな　さあ、泳ぎなさい

やつ　笑いなさい人殺し、それが偽りだからこそ

ここのつ　家内安全一家団欒平穏平和

小田島那智子の惨劇と崩壊

とを　水槽の中の深海は何が泳ぐ

とをあまりひとつ　世界の正しい形は邪悪

とをあまりふたつ　永遠の生命、永劫の胎内

お前の兄は最低最悪の愚物だ

とおあまりみつ　無謬の嘘と生命

とをあまりよつ　目も当てられぬ夢を砕いて

とおあまりいつつ　貼りつけ、剥がし、見える見える見た

とをあまりむつ　行きて戻りて、やがて来たる

とおあまりななつ　灰白質の宇宙を慾に染め

とおあまりやつ　苦痛なき世界で、人は生きていけない

【訃報】来足千乃逝去につきまして

とおあまりここのつ　絆創膏だらけの晩餐を

はた　松羅八津次の孤独

はたそまりひとつ　それは産み落ちた

はたそまりふたつ　血を泳ぐ人魚は一つじゃない

なにが彼の罪なのか

言ノ葉案内

はたそまりみつ　果実は己が生（な）った因を知らず

がんかじについて

はたそまりよつ　もはや修羅の巷（ちまた）なり

はたそまりいつつ　誰かが失敗した苦痛

はたそまりむつ　痛みごと愛して

なぜそれは罪なのか（※グロ注意）

はたそまりななつ　こうして彼は「ついぐなに成」った。

はたそまりやつ　人の顔は一つだと誰が言った？

はたそまりここのつ　終には、人、食べちゃった

みそ　そして果実は実りゆく

みそあまりひとつ　食べたものは血肉となり、血肉は食べられる

みそあまりふたつ　この雨は汝らを罰す。滴を受けよ

みそあまりみつ　手は遅れ、足は届かない

みそあまりよつ　ごうが現世へまろび出る

みそあまりいつつ　業の結実と愛の結晶

みそあまりむつ　すくへみが笑い、血潮が降り注ぐ

みそあまりななつ　別れた道は交わらない

それはすべて、あの冬に

みそあまりやつ　神饌

みそあまりここのつ　結実する因果のはてざね