第135話  第2章 ⭐穏やかな日々⭐

『ご飯できたよー!』

『はーい!』

『今日はなぁに?』

キッチンに立っている碧の後ろから、陽が覗き込む。


『今日は刻みそばと炊き込みご飯。』

『わー、俺の大好物!!!』

『あとね、ぬか漬け!』

『ぬか漬け?!』

『うん、ぬか漬け始めてみた!乳酸菌がとれるからいいんだって。』

ぬかを混ぜるためにめくりあげていた服の袖を直しながら、碧が嬉しそうに話をしている。


『碧はすごいな』

『何が?』

『俺の事ばっかり考えてくれる。』

『そりゃー、そうだよ。』

『碧、何があってもそばにいてくれる?』

『もちろん!みんなの前で誓ったもん!』

『そだな。おじいさんになってこーんな顔になっても?』

陽は自分の顔を潰してくしゃっとさせて見せる。


『にゃははは!!!』

『そんな顔になってもいるよ。』

『良かった!いっただきまーす!!!』

『でも、陽がそんなおじいさんになったら、私もこーんなおばあさんって事だな。。』

『ヒャッハははは!!!ホントだ!』

『どうするー?こーんなしわくちゃのおばあちゃんになるんだよぉー!』

『それでも、やっぱり碧と一緒にいたいな』


大きなベッドに、2つ並べて置かれた大きなパンダのぬいぐるみが、そんなふたりの事を優しく見つめているようだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る