第34話 ⭐2月期⭐

夏休みはあっという間に終わった。

3年生の引退試合やお疲れ様会も賑やかに行われた。

サッカー部での陽はメキメキと上達し、1年生でも試合に出る事が多くなっていた。


日焼けして引き締まった体と長い足。背も高い陽は女子から注目を浴び始めた。

(陽モテるようになっちゃったな。。。)

少し碧は不安だった。

陽はそんな事はおかまいなしで、女子の嫉妬は碧に向けられる。

たまに、またあのヒソヒソ話が聞こえてくる。

(何で神﨑みたいなのが彼女なの?)

そんな時は薬を飲む。



その頃、凛花先輩には病気の事を隠さずに相談しておいた。

それからは凛花先輩も時折気にかけてくれるようになって、碧は少しホッとしていた。


ヒソヒソ話が聞こえてくると、凛花先輩は碧に声をかけてくれる。

『嫉妬されるってことは碧がキレイになったからだよ!ホントにキレイになったよねー』と、笑って誉めてくれる。

『やめて下さいよぉー。こーんなどんくさくて、陽にも先輩にも迷惑かけたゃってるんですから。』

凛花先輩は笑いながら言ってくれる。

『どんくさいのは当たってるけど。迷惑なんてかかってないよ!あと、しんどいときは無理しないで私にも言ってね!あ、保健室で休むのもいいよ!白石先生優しいし。私なんて、眠い時は仮病使ってお昼寝しに行くもん!』

『あ、ほんどだ。今度行ってみます!』

凛花先輩は自慢げに手を腰に当てて見せた。


碧は仲間にも恵まれて、学生生活に少しずつ色が増えていくのを感じていた。


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