第23話 ⭐お土産⭐

『ただいまー。これお土産』

碧は母親に貰ってきたフルーツサンドを鞄から出して母親に渡す。

『あら、美味しそう!お土産?珍しいね!デザートにしよか』

鞄を片付けながら、碧は伝える。

『私は食べたから』


『あら、そうなの?ご飯もう出来るよ!着替えておいで!』

『はぁーい』

着替えてテーブルにつく。

今日のメニューは生姜焼とお味噌汁だ。

母親の得意料理。

『サンドイッチ食べちゃったから、あんまし食べれないかも。。。』

『あら、そう?』

母親はテーブルにお箸を並べる。


生姜焼は食べたいなぁーとお箸を手にした。



『いいよ、食べれるだけでも食べて、薬飲まなきゃね!』

碧は久しぶりに学校であった出来事を話した。と、言っても陽のサンドイッチの食べ方と食べる量がすごかった!というだけだが。

『お母さんも、見てみたいわ』

母親は笑った。嬉しそうに話をする碧がいて、少しホッとした。


『それでね、サッカー部のマネージャーしないか?って言われた。』

『マネージャー?何するの?』

『?!わかんない(笑)聞かなかった。』

『碧の体調の事、知ってる?』


やっぱり、そこだよね。もちろん碧が一番不安だった。普通に学校生活を送るだけでも大変かもしれない。


『言ってない。やっぱり辞めとこうか。』

マグカップに注がれたホットココアを見つめていた。

何かあっても不安だし、迷惑はかけたくないし。そんな風に碧は考えていた。


『好きなことやればいいよ!何かあったら、すぐに迎えにいくし。碧の気持ちが大事。』

お母さんはいつも優しい。

なのに、病気で迷惑かけてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいになっていた。

そんな碧の気持ちに気づいたのか、母親は笑顔で言った。

『碧、大丈夫だよ!何も心配しなくていいよ。あら、このサンドイッチ美味しい!』

『うん!』

陽のくれたサンドイッチは母親との会話を弾ませてくれた。

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