第16話 ジャム
俺は武器屋の帰りに雑貨屋でフライパンと鍋、スプーン、コップ、ジャム用の入物を買った。
これはこれから森などで自炊をする事を想定してだ。
森で枯れ枝や枯れ葉も、たくさん拾ってあるからいつでも自炊可能だ。
ストレージに入れておけば、邪魔にならないからね。
まあ、ストレージ中には森で採ったグミの実やブルーベリー、ビワやイチジク、
山菜やキノコなどたくさんあるから、しばらく食べ物には困らないけど。
そして商会で塩と砂糖も買った。
塩は味付け、砂糖はジャム用だ。
でも調味料の値段があまりにも高くて驚いた。
もうお金がありませんから。
買い物をして俺は『なごみ亭』へ帰ってきた。
「エリアスおにいちゃん、お帰り~。はい、これカギ」
「ありがとう、アンナちゃん」
アンナちゃんに癒されながら、部屋に入った。
夕食まで時間があるから、裏庭を借りてジャム作りでもしようかな?
俺は宿屋の主人ビルさんに許可をもらい裏庭に出た。
裏庭にある石を集めて鍋を載せる土台を作る。
そしてストレージから鍋、枯れ枝と枯れ葉を出した。
まずは火をつけてと。
やっぱり生活魔法て便利だな。
ブルーベリーの皮をむき、鍋に入れる。
オルガさんに受付のアリッサさんと俺の分。
3人分か。
この際だから、たくさん作っておこう。
皮をむいたら砂糖を入れ煮込む。
これだけ。
後は焦がさないようにしないとね。
砂糖は高いから、無駄にできないんだよ。
煮込んでる間にステータスを確認しておこうかな。
これからの戦いの時に知っておいた方がいいからね。
「ステータスオープン!」
名前:エリアス・ドラード・セルベルト
種族:人族
年齢:15歳
性別:男
職業:創生魔法士
レベル:7
HP 80
MP 130
筋力 31
攻撃力 30
防御力 58
知力 67
器用さ 31
素早さ 53
運 61
状態:良好
【スキル】
生活魔法
火:LV1
水:…
氷:…
風:LV1
光:…
世界の予備知識:LV1
【ユニークスキル】
異世界言語
鑑定
時空間魔法ストレージ(カスタマイズ可能):LV1
【メンタルスキル】
沈着冷静:LV1
高速思考:LV1
魅力(人から好感を持たれる。発動しないこともある):LV1
【加護】
女神ゼクシーの加護
愛し子
バグベアを倒してもこの程度か。
オルガさんも足の怪我がなければ、1人で倒せるて言ってたし。
俺は弱いな。
ステータスを見ると素早さと防御力が他より高いから、素早く動いて攻撃するやり方が良いのかな?
でも筋力と攻撃力ないし、非力だよな俺。
あれ?生活魔法の属性が個別表示になってる。
火と風は使ったからレベル表示がある。
他は使ってないから、表示されないのか。
使っていってレベルが上がると、どうなるんだろう?
生活魔法だよね。
ま、与えられた能力で地道にやっていくしかないか。
それとも生前の知識を生かして、新しい商売をするのも良いよね。
いよっ、若旦那、なんて言われてね。
そんな馬鹿な事を考えてたら、ジャムがそろそろ良い頃合いかな?
どれどれ。うん、うまい。
手作り感満載だけど、これはこれで美味しい。
後は冷めたら入物に分けるだけだ。
イチゴの季節になったら、イチゴジャムもいいな。
そしてジャム作りも終わり、夕食の時間になったので食堂に行った。
食事をしていると、どこかで聞いたことのある声がする。
振り向くとそこには、オルガさんが居た。
「あら、エリアス君。ウフッ、来ちゃった」
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