第27話 ~つまり文化祭(前編その1)~
「お帰りなさいませ、お嬢様」
文化的交流会当日。
私はまだ午前中だというのに、もうかれこれ30回以上の
15分交代制にも関わらず『使用人サロン』は、予想を遥かに越えて大盛況だ。
メイド服に着替えたクラスメイト数名と執事服姿の私。
そして現在――待ち1時間の超繁盛店となっている。
午後からは学院に
(とはいえ、この客数は想定外だわ……
「あの、ライリー様。
「ありがとう。そういう貴女様は、いつにも増してお美しいですよ」
「まあ!」
「キャァァー!」
(執事役も、だいぶ慣れてきたかな?)
黒髪のウイッグにしたのは、前々回の前世を睡眠(夢)をキッカケに思い出したからだ。
好きな人の好みに合わせ、セミロングの天然茶髪をわざわざ黒髪に染める程に
(ショートではなく、当時と同じ
「……しかし意外だったな? ライリー
案内役の私にそう声を掛けるのは、休憩を終えた同僚の
「アケビ様よっ!」
「はぁー、お美しい……」
(私に負けず劣らず、大人気ね)
「アケビ
「なぁーに、売り上げの為さ。
そうニヤリと笑う、男装侯爵令嬢。
間違いなく
「さすがは経営者ね……だな?」
(おっと、油断をした)
「お褒めの言葉をどうも。では交代の時間だ。今のうちに休まれては? と言っても『掛け持ち』か……無理しないでね」
「ありがとう、行ってくる!」
名ばかりの休憩に入った執事。
私は着替える間もなく、速攻で
校舎を出て目の前に広がる庭園には、控えめなオータムカラーの草木達がイベントを彩っている。
オレンジ、赤、黄、紫……他の季節にはない幻想的な世界に、生徒も多く集まっていた。
(草木だけでここまでとは……なかなかやるな、
「……」
どんな
午後にお披露目される『花のドレス』が
「でも負けないわっ!」
私は気を取り直して
「……はっ? 嘘ですよね!?」
「いえ、本当です。まだ誰も来ていません……」
裏庭の元・家畜小屋では、黒いローブを着たキノコ(頭)達が下を向いている。
「……たかが『占い』の為に、こんなボロ小屋へわざわざ来る? 仕事がないのなら、もう帰っていいかしら?」
テーブルを挟んで部屋の奥に鎮座するのは、
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