第四話 姉との会話

 咲也は制服からスマホ取り出し少しいじってから「じゃあ機器は明日の昼届くから」と言って帰ってしまった。俺としてはゲーム内で何処で合流するかなど聞きたいことがあったのだが、そういえば今日はアイツとテスト終わりの放課後デートをすると昼休みに何回も聞かせれたことを思い出した。


 因みにアイツとはさっき話した咲也の幼なじみの恋人のことで名前は神里 要カミサト カナメ。まぁ咲也と幼なじみということは俺とも幼なじみということで、小学校までは三人で一緒に遊んでいたがいつの間にか咲也と付き合っていて、中学の頃は咲也と一緒にいると何故か明らかに嫌な視線を送って来るのであまり仲良いとはいえないがそれなりに話すし悪い仲ではないと思っている。


 明日連絡すればいいかと思い自分も帰る準備を始めた。教室の扉の後ろでこっそりと話しを聞いていた影があることに気付かないまま、、、




『まずは1人で頑張れ〜』土曜日の朝、少し遅めに起きた俺はスマホに書かれているメッセージに溜め息をつきながらとりあえず目を覚ますためのコーヒーを淹れるため1階に降りた。


「あら〜?集じゃない今日は部屋から出てきたのねー珍しいーなんか用事〜?」


「いや姉ちゃんが休みに家にいる方が珍しいだろ」


 気の抜けた声で声をかけてきたは4歳年上の姉の雨付 夏ウツキ ナツだ、高校卒業と同時にとある出版社に就職し金を貯めては休みに何処かに旅に出掛けるような少し変わった人で今日のように休日の昼前に家に居るのはちょっと珍しかった。


「いや私はさっき帰ってきたのよこれから寝るとこ、そーいやさっき咲也くん来てなんかダンボール置いて帰ってたわよ〜あれ集のでしょ何入ってるか知んないけど早く持ってきな〜私にはちょっと重いわ」


 キッチンの棚からインスタントコーヒーを出してマグカップに空けその中にウォーターサーバーから熱湯を注ぐ一連の流れをこなしながらでは寝ていた頭で理解出来た言葉は少く、驚きで混乱する思考はコーヒーの入ったカップをキッチンの机に置くことに注がれとりあえず返事をしようと思いたった。


「……了解」


 姉が部屋に入ったのを少し苦めのコーヒーを飲みながら見送ったあと玄関に置きっぱなしのダンボールを見に行く。


 ダンボールの中身はフルダイブ機器だろう、しかし咲也の奴なんで黙って置いて行ったんだ?しかもさっきのメッセージこれ届けた時のかよ、いろいろ言葉足らずだな。俺は内心文句を垂れながらも確かに少し重たいダンボールを部屋に持っていった。


「まぁ一人でやれって言うならソロでやるか〜そのうち合流するだろうし、それまでに少しは強くなって少し驚かせてやろうか(笑)」


 部屋に入った俺はそう独り言を呟きながら新たなに旅立つための準備を始めるのだった。

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