第55話 三振をする投手は美しい
2つ目は、『ハクチョウ型』である。
優雅に紅茶を啜りながら、三振を待っているのだ。「投手とは三振をするもんだ」と自らに言い聞かせながら。
だが無意識下では、じっとこらえているはずだ。
なにせ、本当は振りたくて仕方がないのだから。(野球選手としての本能が残っているのだろう)
しかし監督の指示に逆らえず、三振をする。
それがいつの間にか、自分の意思に転換しまっているのだから、気の毒だ。
彼らの大半がシソーノーローに悩まされている。
3つ目。
これがまた厄介なのだ。
『省エネ型』。
すなわち、自分の投球に集中するために、一スイング分の体力も無駄にしたくはないと、心の底から開き直っているということだ。(ましてや、「ランナーになるなんて」と)
私は、体力のない人間は投手の資格がないと思っている。
彼らの大半は
会長はこれらの三つを明らかにした上で、自分たちの正当性を主張した。
「投手とは、野球ではなく投球のプロフェショナルであり、打撃を放棄する権利がある」と訴えたのだ。同時に、三振は美しくバットを振り回すピッチャーは古臭いと笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます