第43話 雰囲気ブレイカーの可愛い嫉妬

「……」


 これ誘われてるのではぁぁぁぁっぁぁ⁉ 今、綺海にエッチしようと懇願されてるぅぅぅぅ⁉


 にしてもエっっっっっっロ‼ なにその黒の下着。レースでほぼ丸見え状態なんですけど⁉


 いつも服越しでしか見えない、見えたとしても谷間しか拝めなかった豊満な胸がほぼさらけ出ている。


 これはヤるしかないっっっ‼ てかヤらせてもらいますぅぅぅ‼

 もう俺の息子も準備万端だ。


「綺海……」


 今にも溶けだしそうな綺海の姿を眺めながら言うと、


「やっぱいい……南はなにも言わないで」


「んっ」


 俺の首元に手を回すと、綺海の唇の感触が伝わる。


「っ……//」


 初めてだからか、荒い鼻息がよく伝わってくる。しかし、綺海は一度付けた唇を離そうとはしない。


「……ぁ…っ」


 フレンチキスではとどまらず、俺の口の間から綺海の舌が入ってくる。

 さらに息が荒くなり、密着している綺海の体が熱くなっているのがよく分かる。

 胸元には柔らかい感触。唇にはプルンとハリのある感触。

 初めての感覚に、頭がボーっとしてくる。


「ぷはぁ……はぁ……はぁ」


 何秒経ったか分からないが、一瞬に感じた時が過ぎると、唇が離れる。

 口元によだれを少し垂らし、放心状態な綺海。

 息は荒く、体が赤く火照って、色気が漂う。


 俺達は目を合わせ、またお互いを欲すように抱き合い、続きを始めようとすると、


「ファーストキスで舌入れるとは思ってなかったなぁ」


 テーブルでこちらをニマニマと見ている鹿野は、横からボソッと言う。


「って! なんでお前そこにいるんだよ!」


「なんでって、ここ私の家だし、綺海ちゃんとはそうゆう約束だからね~」


「だからっていい雰囲気、というか最高潮の時に口を挟んでくるなっ! いくら彼女でも許さんぞ!」


 ムードが台無しじゃねぇぇぇぇぇ~か! 一体どうしてくれるんだこの状況! 一気に気まずい感じになっちゃったじゃねぇぇぇか!


「見てるだけじゃ面白くないもん」


「ならもっとタイミングを見計らってだな!」


「はぁ~い」


 少し強めに怒鳴りつけると、鹿野はしゅんと縮こまった。

 見られてたって気づかなかった俺も原因だが、鹿野が入って来るタイミングも悪すぎる。

 それに、人の初めてに口を出すのは……ちょっとよくはない。


「ごめんなまり―――っ!」


 再度綺海の方に顔を向けると、飛びつくかのように綺海は俺の唇を奪ってくる。

 先程よりさらに激しく舌を絡みつけてくる綺海に、俺は目を見開き後ろに倒れ込んだ。


「綺海ちゃん、メスの顔になってる」


 にこやかにこちらを見る鹿野をぎろりと睨みつける俺だが、


「ダメっ// 私だけ見てっ//」


 綺海は俺の頬を掴み、自分の方へ向ける。

 なんだぁぁこの可愛い生き物ぉぉぉ! もう今は綺海だけしか見ないですぅぅ! 一旦鹿野は空気として扱いますぅぅぅぅ!


「恥ずかしいけど――」


 激しいキスが終わると、綺海はおもむろに下着を脱ぎ出した。

 脱いだ下着を投げ捨てると、一糸まとわぬ姿のまま俺に抱きつく。

 柔らかい綺海の胸が俺へダイレクトに伝わり、硬くなった突起までもが俺の肌に当たる。


 ダメだ……理性がぶっ壊れそう。


「綺海ちゃん、そのまま南くんに抱きついてて」


 鹿野は立ち上がりながら言うと、服を脱ぎ、ピンク色の下着姿のままこちらへと向かってくる。


「ちょっと待てもしや鹿野ま――っ」


 言いかけた途端、次は鹿野にまで唇を奪われる。

 綺海より激しく絡みつく舌は、ぎこちなさを感じさせない動きであった。


「私、キスの練習してたんだ~//上手?」


 唇に指を添えながら、小首を傾げる鹿野。


「………」


 色々あってパ二くって言葉が出ない俺に、


「あと、彼女を置いて2人で始めようなんて許さないから」


 色気のある声を俺の耳元で囁くと、俺の手を自分のパンツの中へと忍び込ませた。


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