第39話 染メラレル

「ねえ、赤が好き?赤が好きでしょ?赤が好きだよねえ?赤が好きなんだよねえ?赤しか好きじゃないでしょう?赤以外は嫌いでしょう?赤が一番でしょう?赤だよねえ?赤が一番美しいものねえ?赤以外は考えられないよねえ?赤が好きって言いたいよねえ?赤がたまらないくらい好きだよねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?」


 女の人はそう捲し立てると、手にしていた鎌で首と手首を切りつけ、傷口から鮮血を噴き出させながら抱き着いてきた。

 悲鳴を上げたが、身動きが取れず、逃れられない。

 視界が、みるみるうちに赤に染まっていく中、


「次は君の番だからね?君も最後はこうなるんだからね?アハはハハはははヒゃッ!」


 耳元で囁かれたその言葉に、僕は生涯苦しめられることになった。

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