第115話 やっぱり家がいいですね

後始末は、ハルカさんやアカバくんたちがしてくれると言うので、私は先に家へと帰らせてもらいました。

ボロボロの服で帰るわけにはいかないので、冒険者ギルドが支給してくれたジャンパーを羽織って、家に帰り着くと玄関で座り込んでしまいました。


やっぱり疲れましたね。


「ミズモチさん。今日の夕食は買い置きしているものでいいですか?」


【進化ミズモチさん】『ヒデ〜ダイジョウブ〜???』


「はい。昨日から、緊張していたので眠りが浅かったようです。カオリさんとお出かけるするために色々準備したり、緊張したりと、色々ダメですね。

考えている時や、戦闘が続いて、ずっと意識を保っていたんですが、ハァ〜疲れました」


私は、なんとかミズモチさんに食べて頂ける食事の準備を終えました。

買い置きしておいた菓子パンと、サラダチキンで作ったサラダです。


どれも調理したわけではないので申し訳ありません。


ですが、もう限界です。


私自身は、小分けにされたサラダチキンを一つ食べて布団へと倒れ込みました。


「ミズモチさん。おやすみなさい」


【進化ミズモチさん】『ヒデ〜乙〜』


どれくらい寝ていたのでしょうか?目が覚めると外が明るくなっていました。


「AM8時。12時間ほど寝てしまいましたね」


昨日は祝日だったので、本日は日曜日でお休みです。


「ミズモチさん。今日はどこにも行きたくないので家に引き篭もろうと思います。いいですか?」


【進化ミズモチさん】『いいよ〜』


ハァ、やっぱりミズモチさんは癒しですね。

プルプルと震えている姿を見ていると、心が癒されていきます。


「ミズモチさん。昨日はありがとうございました。ミズモチさんが居てくれたおかげで、シズカさんを助けることができました」


私はミズモチさんを抱きあげて抱きしめながらお礼を告げました。

傷ついて、意識を失った私を受け止めてくれたのはミズモチさんです。

シズカさんを探し出して、私を治療するようにしてくれるようにしてくれたのもミズモチさんです。


ミズモチさんは私にとって命の恩人なのです。


【進化ミズモチさん】『ヒデ〜』


「はい。ミズモチさん」


【進化ミズモチさん】『ダイジョウブか〜』


「はい。体は昨日よりも大分ラクになりました。自身の回復(小)さんは体は治せても体力の回復まではできないようので、疲れが蓄積しているだけです」


ミズモチさんを抱きしめたまま、私は布団へ寝転びました。


ゴロゴロしているだけです。

ミズモチさんを抱きしめて、温もりを感じながらゴロゴロしているだけで癒されます。


「そうだ!ミズモチさん。疲れた時は甘いものです。確か、ホットケーキミックスがあったはずです。ミズモチさんに食べさせてあげようと思って買っておいたのを忘れていました!」


一時間ほどゴロゴロしていると、少しだけお腹が空いて、甘い物の存在を思い出しました。


ボウルにホットケーキミックスを入れて、卵と牛乳で混ぜていきます。


ホットプレートは、もしもお客様が来れば使おうと思っていた大きめの家庭用があるのです!!!まだ使ったことがないので新品です。

本当は地元の名物であるお好み焼きを作ろうと思ったのですが、一人でお好み焼きを作ってもフライパンで焼けてしまうのです……


さぁ気分を変えて、本日はミズモチさんとホットケーキです。


「ミズモチさん見ていてくださいね。ホットプレートが熱くなったところで、丸くなるように一枚分を流し込んでいきます」


同時に3枚も焼けてしまうので、素晴らしいですね。

トッピングは、バターとメイプルシロップしかありませんでした。

チョコソースとか、生クリームとかを乗せたかったです。


「プスプスとしてきたらひっくり返して、うわ〜結構いい感じで焼けましたね」


良い感じの焼け加減にできました。


裏面も焼けたら、バターを塗って、メイプルシロップをかけて、ミズモチさんの前にお皿を置きます。

テーブルに上がる際は、水餅サイズのミズモチさんは、ホットケーキに乗れてしまいます。


プルプルと食事をする風景は可愛いですね。


「私も頂きます。結構フワフワにできましたね。でも、周りはこんがりとして、私はフワフワよりも少し固めのカリカリが好きかもです」


【進化ミズモチさん】『ヒデ〜ウマ〜』


「ミズモチさんも美味しいですか?ふふ、私、料理は得意ではありませんが、ホットケーキとお好み焼きだけは自信があります」


ミズモチさんに2枚目をお皿に乗せて、私はもう一度焼き始めました。


ミズモチさんとお出かけしないで、家で過ごすのもいいですね。


「あっ、そうだ。ちょい酔いさんのホワイト味を買っていましたね。まだ午前中ですが、今日はどこにもいきませんからいいですよね?」


【進化ミズモチさん】『ノメノメ〜』


「ふふ、ありがとうございます!それでは焼き目がつくまでに、あっホタテチーズもありますね。ツマミに頂きましょう。ミズモチさん、ベーコンも焼きますか?」


【進化ミズモチさん】『タベル〜』


二人で過ごす休日は本当に楽しいです。


やっぱり家がいいですね。



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