第95話 B級試験の結果発表
トレントツリー戦を終えたあとは、他の冒険者さんとの交流会でした。
皆さん、専業で冒険者をされているそうです。
大変な仕事なので、凄いですね。
長年サラリーマンをしてきた私には、冒険者一本というのはどうしても選択できません。
彼らはシズカさんたちよりも、数年先輩さんになります。
年数を重ねることで、冒険者としての大変さや、仕事としての考えを持てることが話していてよくわかりました。
「そんだけベテランな見た目で、キャリア半年って!大型新人じゃん!」
「私たち、これでも3年はやってるんだけど……アベさん凄くない?」
真っ先に助けにきてくれたアカバくんたち三人。
背後を守ってくれた女子パーティーの四人。
モモさん、ミドリさん、シオンさん、バービーさん。
彼ら7人と仲良くなりました。
一気に冒険者仲間が増えて嬉しいです。。
こうやって冒険を通して、危機的状況こそ人の本質を知るとことができると思います。私を助けるために動いてくれた皆さんは凄く優しい人だとわかっています。
大変なことを乗り越えた後だと、自然に仲間という意識を強く感じるのは私だけでしょうか?
「それにしてもテイマーの人って初めて会ったけど、なんだか独特だよね」
女子パーティーのリーダーであるバービーさんが、ミズモチさんを見て目をギラギラとさせて言います。見た目が個性的で、ケツアゴが特徴的なバービーさん。
「バービーって動物好きだもんね」
アカバ君と共に私を心配そうに覗き込んでくれた元気で可愛いモモさん。
優しそうな雰囲気で、全員の話を聞いて頷く癒し系ミドリさん。
少し離れた位置で、たまにこちらを気遣うセクシー美女のシオンさん。
女子パーティーの四人は個性的で良い子たちです。
「そろそろB級試験も終わりだな」
「そうだ。皆んな、mainのID交換しとこうよ!」
「賛成!」
アカバくんの言葉に桃さんが提案して、バービーさんが乗りました。
皆さんスマホを取り出しています。
皆さん20代なので眩しいです。若いっていいですね。
この中からカップルとかできるのでしょうか?結婚式とかするなら呼んで欲しいです。
「アベさん何してんだよ。ほら」
「そうですよ。アベさんも交換しましょう」
アカバ君とモモさんがスマホを差し出してくれます。
私もいいのでしょうか?
若者たちの中にオジサンを入れてくれるのは嬉しいです。
少しだけ私は除け者にされると思った自分を恥じなければいけませんね。
「ありがとうございます」
【ミズモチさん】《ヨロ〜》
ミズモチさん、それではミズモチさんが私の保護者のようですよ。
まぁ念話は私にしか聞こえませんが……
「それではお願いします」
冒険者を始めてから、私のスマホに登録される人が増えております。
それは私にとって今までは違う状況で、嬉しいと思える出来事です。
皆さんとmainを交換登録して、話をしている間にB級試験の終了時間に達しました。
「皆さんお疲れ様でした。皆さんがどのように過ごしていたのかは、冒険者ギルドスタッフが監督させて頂きました。
結果の方は冒険者アプリの方へ送付させて頂きます。
合格者の方は、一週間以内にB級登録を兼ねて受付の方で詳しい話を聞いてください。
不合格になられた方は研鑽を積んで再度受験をお願いします。
それではお疲れ様でした」
冒険者ギルドの職員さんが説明を終えて立ち去っていきました。
「結果はどうだ?」
アカバくんがスマホの操作を始めました。
そんなに早く通知が来るのでしょうか?
私もスマホを起動してアプリを開くと通知が来ていました。
冒険者ギルドさんは仕事が早いですね。
「よっしゃ!!!」
「やったわね!」
両パーティーから歓声が上がっております。
どうやら全員B級試験を合格したようです。
私は……
《B級試験 合格されました》
説明などの項目が細々と書いていますが、中央に合格の通知が書かれていました。
「ミズモチさん、やりましたよ!」
【ミズモチさん】《ヒデ〜おつ〜》
「ふふ、はい。疲れましたね。それにお腹が空きました」
【ミズモチさん】《ヒデ〜ゴハン〜》
「そうですね。いっぱい食べましょう」
「アベさん!今回はスゲ〜助かった。ありがとう」
「私たちもありがとうございます!同じ冒険者として協力する機会もあると思うからその時はよろしくね〜」
アカバ君、モモさんが挨拶をしてくれて、それぞれに別れを告げます。
冒険者ギルドの方が、トレントツリーのドロップ品を運んでくれるというので手ぶらで帰ることができます。
どうやら試験中のトレントツリーはイレギュラーだったようです。
今回は特別に冒険者ギルドが、フォローに動いてくれることがわかりました。
「色々ありましたが、ミズモチさん。楽しかったですね?」
【ミズモチさん】《ヒデ〜たのしいね〜》
新しい知り合いができて、皆んなでボスを倒して……
きっとこれが冒険者として生きるということなのでしょうね。
「よし!今日は肉を食べましょう!私、食べたい肉があるんですがいいですか?」
【ミズモチさん】《ヒデ〜ゴハン〜》
「はい。1ポンド俵ハンバーグって言うんですけどね。
あの肉肉しい味が食べたくなりました!
もう今日は俵ハンバーグの口です!!」
【ミズモチさん】《ヒデ〜肉〜》
「はい。いきましょう!!!」
スーパーカブさんに乗り込んで、庶民の味方であるレストランへ出発です。
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