天使と悪魔の名前!

「は~いお待たせ~♪」

 魔国牛を次々と料理しテーブルに並べる千春達。


「すき焼きチームこっちねー!」

 頼子はすき焼きの準備を始める、美桜はしゃぶしゃぶのようだ。


「しゃぶしゃぶ準備おっけー、チハル!豚肉もある!?」

「オークあるけどまだ切って無ーい!まってー!」

「うち切って来るよ!」

 大愛はそう言うと厨房に向かう。


「あのぉ、お手伝いをしなくても宜しいのですか?」

 天使の子は座ったままオロオロとしている、悪魔は頼子の準備をじっと見ている。


「いいのいいの、何したら良いか分からないでしょ?」

「・・・はい。」

「チハル!酒はあるのじゃろ!?」

「へいへい、ルプ受け取って。」

 アイテムボックスからお酒を取り出すとルプに渡す、そしてまた厨房に走っていく。


「ご飯炊けたよー!食べる人ー!」

「はーい!」

「たべるー!」

 青空と日葵はご飯を受け取り配膳していく。


「千春、ステーキ焼けたわよ。」

 春恵はフライパンを持ったまま千春に言うと、さっと皿を取り出しステーキを受け取る。


「ほいほい、これはルプ達ねー。」

 次々と準備される料理に天使と悪魔はオロオロと、そして興味津々に見ていた。


「モートさん、アイトネ、今日はありがとうねー♪」

 ソファーのテーブルに肉料理が並べられる。


「ローストビーフとサイコロステーキ、あと頬肉の煮込みだよー。」

『美味しそう♪』

「これは美味しそうだ。」

「ソースはこれ!」

 千春は市販のソースを取り出し見せる。


「作っても良かったんだけど、コレが美味いんだぁ。」

 ニッコニコでソースをアイトネに渡す。


「まだおかわりあるから、無くなったら言ってね!」

「ありがとうチハル、頂くよ。」

 モートも嬉しそうに返す。


「さてと、天使ちゃん、悪魔くんも食べて良いよー。」

 頼子のすき焼きが出来上がり良い匂いが広がる。


「それではー!」

 頼子が声を上げると、皆は一斉に声を揃え言う。


「「「「「「「いただきまーす!」」」」」」」

「いただきます?」

「食べる時の挨拶だろう、いただきます。」

 コテンと首を傾げる天使と、皆の真似をし挨拶する悪魔、そして料理を口に入れる。


「!?」

「・・・。」

「どう?」

 頼子は2人に聞くと、2人はコクコクと頭を振る。


「ヨリのすき焼きが一番おいしいよね。」

「えー千春の方が美味いじゃん。」

「いや、もう超えたね!」

「あはは。」

「ねぇチハル、天使ちゃんと悪魔くんって名前無いの?」

「・・・そう言えば、2人は名前何て言うの?」

 日葵に聞かれ千春は2人に問いかける。


「有ります、ングコブラスと申します。」

「ん?なんて?」

「ングコブラスです。」

「・・・うん、覚えにくいな!悪魔くんは?」

「俺はルアレッビノだ。」

「ルア・・・・・・うん、覚えれる気がしない。」

「愛称付けてあげたら?」

「あー、そうだねぇ・・・天使ちゃんは・・・えっとなんだっけ。」

「んぐ・・・こ・・・なんか。」

 千春と日葵は見つめ合いゲラゲラと笑う。


「無理!覚えれない!」

「天使ちゃんなんて呼んだらいいかな?」

「何でも宜しいのですが。」

「俺も好きなように呼んで構わない、悪魔でも良いが?」

「いや、流石に普段から悪魔呼びはちょっとねぇ。」

 2人が思案気な表情で見つめ合う。


「天使の名前って色々あるよねー。」

「あるねー、悪魔もいっぱい有るじゃん?」

 青空と大愛はスマホを触り検索する。


「ほら、ミカエルとか。」

「悪魔だとアザゼルとかあるよ?」

「それってあっちに本当に居るかもじゃん?」

「あー・・・いる可能性高いな!」

「それは言えてるねぇ。」

 某神様たちを思い出す千春達。


「それじゃ天使ちゃんはミカとか。」

「悪魔くんはゼルとかカッコいいじゃん?」

 青空と大愛が言うと、4人がうっすら光る。


「あー!!!!!!!!!!!!」

「やっちまったー!!!!!!!!!!」

 千春と頼子は叫ぶ、青空と大愛は千春と頼子を見る。


「何?!」

「え?!なんなん?!」

 天使はうっすら光った事に驚くが、悪魔はニッコリ笑う。


「これはアレか、契約したのか。」

「契約?コレが?」

 悪魔が言うと天使は驚く。


「あぁ、俺達の契約とは違う、魂が繋がった感じがした。」

「えぇ、それは私も感じたわ。」

「マジかぁ!」

「えぇ~!それじゃもしかして私が死んだら悪魔くん死ぬ!?」

「魂の契約はそうなるだろうな。」

 落ち着いて話す悪魔は気にせずすき焼きに手を付ける。


「アイトネ様!どうしたら良いですか!」

『ん~こっちのルールだから解除出来ないわ~、死んだら考えましょ~♪』

「そうだな、この2人の魂は強いからな、俺がまた転生させてやろう。」

 青空の言葉に軽く返す2柱。


「チハル!」

「ん、私はもうロイロとルプと魂の契約してっから。」

「私も~、ね!ビェリー♪」

「一生一緒や~ん♪」

 お酒を呑んで気持ちよさそうに答えるビェリー。


「そう言えば私も契約してんだよなー。」

 麗奈はポツリと呟き外を見る。


「レナはアミちゃんと魂の契約してたね。」

「ミオはコンとしてるの?」

「んにゃ?コンはしてないよ。」

「ミオさん!契約はしてませんが死ぬまで一緒です!」

「ありがとね~コン、出来ればその姿で抱き着いて来ても良いよ?」

「それはお断りします!」

 ショタな姿で酒を呑むコンはしっかり断る。


「それじゃ皆それぞれ守護が居る感じだねぇ。」

「え?ヒマリは居ないじゃん?」

「居るよ?」

「え?何?」

「ほら。」

 日葵は頭の上を指さすと、妖精のクゥクゥが「何?」と言う顔でのぞき込む。


「へ?クゥクゥってヒマリの守護なの?」

「守護と言うか友達だね?」

「友達よー♪ヒマリとずーっと一緒に居るって約束したもの~♪」

「リリだってレナと一緒だモーン!」

 話を聞いていたリリはそう言うと麗奈に飛びつく。


「はいはい、リリ果物食べる?」

「食べますわぁ!」

「・・・ま、いっか。」

「でたよ、千春の「ま、いっか」が。」

「だって契約しちゃったし考えてもしゃーないじゃん。」

「まぁね~、と言う訳で、えっと天使ちゃんがミカで、悪魔くんはゼルだったね。」

「はい。」

「そうらしい。」

「契約したって事は気に入ったって事でOK?」

「えぇ♪」

「あぁ、いい名前だ。」

 天使と悪魔、ミカとゼルは青空と大愛を見る。


「よろしくお願い致します。」

「こちらこそ!」

「ダイア、よろしく。」

「うっ、はい、こちらこそぉ!」

 冷静なミカとゼルに反し、青空と大愛はプチパニックだ。


「話変わるけどミカとゼルってドラゴンじゃん?」

「はい。」

「そうだな。」

「ドラゴンに変身出来るの?」

 千春は2人に問いかける。


「出来ますね、感覚で覚えています。」

「俺もだ、いつでもドラゴンに変身できる、先程見せた悪魔の姿もな。」

「おぉー、今って生前の姿?」

「そうです。」

「そうだ。」

「儂と一緒じゃー!」

 酒を掲げながら叫ぶロイロは嬉しそうに叫ぶ。


「そう言えばロイロもあの姿生前の姿って言ってたわ。」

「・・・あ、って事は。」

 不意に頼子がミカとゼルを見る。


「どうしたん?ヨリ。」

「いや、この2人さ、卵から生まれたよね?」

「うん。」

「そんでドラゴンだったよね?」

「うん。」

「その後この姿なったよね?」

「うん。」

「・・・この服何処から出て来た?」

「!?」

 千春は頼子の話を聞き2人を見る。


「・・・もしかして・・・それ幻術?」

「はい。」

「あぁ、流石に裸では見苦しいだろう?」

「ちょー!!!サフィー!ワークスさん!」

「はいはい、えっと、ミカさん、こちらへ。」

「ゼル殿、こちらへ。」

 2人は千春の寝室兼衣服室に連れていかれる。


「やっぱりかwww。」

「良く気付いたねヨリ。」

「ロイロちゃん見てふと思い出しただけなんだけどね。」

「ねぇ!チハル!マジで私にミカちゃん付くの?」

「うちにはゼル君!?」

「うん、この世界の宿命じゃ!あきらめろん!」

「大丈夫、すぐ慣れる。」

 千春と頼子はそう言うと、すき焼きの肉を食べ始めた。











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