封印されし遺跡のお宝やっほい!

「これは凄い!」

 アリンハンドは入口から覗き込み、広々としたフロアを見渡す。


「ただの広い空間だねぇ。」

 青空はキョロキョロと見まわすが面白いと思える物は一切無かった。


「魔導士的になにが凄いの?」

 千春もキョロキョロ見渡しながらアリンハンドに問いかける。


「見てください、この壁に描かれた物を、古代文明の歴史ですよ!」

「へぇ・・・その歴史知ってる人がココに居るけど?」

 千春は成り行きで同行する事になった肌の青い一つ目の女性、テールカを見る。


「・・・そ、そうなんですが、ほら!知らない事もあるでしょう?!この壁画から色々と考察出来るわけですよ!」

「ヘースゴイネー。」

「千春、先に進む?」

「うん、魔導士に付き合ってたら日が暮れそう。」

「アリンさんどうする?」

 頼子はアリンハンドに問いかけると、アリンハンドは物凄く考える。


「・・・ここは数人残して調査、残りは付いて行きましょう!」

「へいへーい、先進みますかー。」

 千春はそう言うとルプを連れ歩き始める。


「ハルト、このまま奥行って良いよね?」

「問題無いだろう、騎士団もドラゴニュートも居るからな。」

 JK達は壁画を見ながら奥へ進む、すると扉が見えた。


「はーい、あれ開くと思う人ー。」

「「「「・・・。」」」」

「ま、開かないよねー。」

 エーデル、ホーキンが千春の前に移動し扉を見回す。


「罠は無さそうだ。」

「はい、魔術的な物はどうでしょうか。」

 ホーキンが言うとロイロ達が答える。


「魔術は掛かってないぞ。」

「鍵くらいは掛かっとっちゃいない?」

「開けたらわかるだろ。」

「僕開けましょうか?」

「いえ、私が開けましょう。」

 エーデルは扉のノブに手を掛けると扉を引く、扉はギシギシと重い音を立てながら開いた。


「あくんかーい。」

「鍵くらい掛けとけー!」

「厳重なのか厳重じゃないのか分かんない遺跡だねぇ。」

「真っ暗ですね。」

「儂が魔法で明るくすればいいじゃろ。」

 開いた扉の前に移動するロイロは中へ魔法を投げ込む、すると部屋が明るく照らされた。


「ココも広いじゃーん・・・ん?」

 千春は部屋をのぞき込むと奥に塊が転がっていた。


「・・・アレってアレかね?」

「アレだねぇ。」

「ま、外にいれば中にもいるわなぁ。」

「アレって岩じゃないね。」

「なんだろね、鉄?」

 JK達が話をしていると塊が動き始める。


「やっぱりゴーレムかーい!」

「仲にも守護ゴーレム居るよねー!」

「アレはどうする?」

「めんどくさいし小さいから影入れてもらおう、ビェリー。」

「あいよー、あの5体全部入れて良いん?」

「何ゴーレムか見たいから1匹残してー。」

 千春が言うと4体のゴーレムは音も立てず影に落ちて行く。


「あっけない!」

「楽で良いじゃん。」

「さて、あの1匹処理しましょ~い。」

「どうやって?」

「俺が行こう。」

「わっちでも良いばい?」

「僕もやりたいです!」

「私でも良いわよ。」

「吾輩は遠慮するにゃ。」

 ペット達が言う間にも1体のゴーレムはドスドスと音を立てながら歩いて来る。


「鉄っぽい?」

「いや、艶的にミスリルっぽくね?」

「マ!?ミスリルゴーレム5体!?ウハウハじゃん!」

「イロハの改造捗るぅぅ!」

 皆はミスリルゴーレムを見ながら喜ぶ、その間にペット達はジャンケンで順番を決めていた。


「勝ったばーい!」

「ビェリーの次は俺な。」

「僕三番ですぅ。」

 ビェリーはそう言うと大蛇の姿になりゴーレムに近付く、ゴーレムは射程に入ったのか立ち止まると手を振り上げ塊を投げつけて来る。


「甘いばーい。」

 尻尾に結界を張り、塊を打ち返すビェリー、塊はゴーレムに当たるとゴーレムは大きな音を立て倒れる。


「何処に核があるんやろかねぇー。」

 尻尾を振り回しゴーレムを叩くとゴーレムは綺麗に切れる。


「え?なんで切れるの?」

 千春は驚きルプに問いかける。


「結界魔法の応用だな、結界を刀の様に鋭く尻尾に張ってんだ。」

「尻尾が長くて細いビェリーさんだから出来る術ですねー、僕の尻尾じゃ出来ないです。」

 プルプルとしっぽを振るルプとコン。


「核あったばーい!壊してよかとー?」

「沢山あるから良いよー!」

 頼子が言うと、ビェリーはとどめと言わんばかりに大きく尻尾を振りかぶりゴーレムに叩きつける、ゴーレムは動かなくなりビェリーは頼子を見て尻尾をフリフリする。


「おつかれビェリー。」

「なんか余裕だねー。」

 千春と頼子の言葉に皆は当たり前の様に動き出す、しかし1人驚き動かない者が居た。


「ちょっと・・・ちょっと!?チハルちゃん!?」

「なに?テールカ。」

「そのゴーレム聖銀鋼よ!?」

「あー、うん、飛行島のロボ君と同じ材質だね。」

「なんで切れるの!?」

「・・・さぁ?結界で切ったって言ってたけど詳しくはわかんにゃい。」

 良く分からない千春はそう答えると、ビェリーの待つゴーレムの所まで歩く。


「おぉ~切り刻んだねぇ。」

「加工するけん良いやろ?」

「うん、問題無いよー、私が影に入れるねー。」

 頼子はミスリルゴーレムの破片を全て影に落とし入れる。


「テールカ、あのゴーレムってロボ君と同じシステムで動いてるの?」

「違うわ、この核にはロボ君の核とは違うもの。」

「そっかぁ、ロボ君みたいに再起動したり出来ないかと思ったんだけど。」

「核が取り出せるなら多分出来るわよ?」

「出来るの!?」

「多分ね、でも取り出す事出来るの?」

「さぁ?4匹いるし、1匹くらいうまく取れるんじゃない?」

「ロボ君の友達出来たら護衛にもなるねー。」

「今回収したゴーレムはイロハの改造パーツに使いまーす。」

「やったー!ヨリ!前いってた腕飛ばすの付けて!」

「あーワイヤーの奴ね、おっけー♪」

 頼子と彩葉は材料が沢山手に入りウハウハだ。


「さ、次行こー!」

「おー!」

「宝無いって言ってたけど大儲けじゃん。」

「売ればねー。」

「まだ何か有るかもよー♪」

「どうせならオリハルコンゴーレム出ないかな!」

「うっはー!そんなん胸アツじゃん!」

「テールカちゃん、オリハルコンは有るの?」

「・・・それって神金鋼の事よね?」

「んー多分そうなのかな?」

「・・・存在はしてたわ、でも王族くらいしか手に取る事は無かったわよ。」

「あ、そうなんだ、それじゃココには無い?」

「有ったら驚くわよ!」

「私達もこの前見つけたよね?」

 アリンハンドに千春が言うと頷く。


「はい、タイキ殿が研究しています、作るためには大量のミスリル鋼が居ると。」

「大量にあるね。」

「有りますね。」

「イロハのオリハルコンロボー!」

「あー、お父さん言ってたねぇ、イロハのロボットオリハルコンで作りたいって。」

「でも回収してる無傷なミスリルゴーレムは研究したいな。」

「素材用は1匹有ればいんじゃね?」

 麗奈や大愛も色々調べているらしく、楽し気に話す。


「ま、帰ってから考えまっしょい。」

「うぃーっす。」

「先進もう!」

 JK達は気を取り直し先へ進む、その先にはさらに10体のミスリルゴーレムが居る事を知らずに。








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