封印されし遺跡のゴーレム君!
パパパパパパ!
パパパパパパパン!
「お!効いてる!」
弾が着弾し、ストーンゴーレムの体が砂になり砕け落ちる。
「岩を砂に変える土魔法イケるじゃん!」
「右の足行きまーす!」
「ウチは左足いきまーす!」
麗奈と美桜は足を狙い銃を撃つ。
パパパパパパ!
パパパパパパ!
「レナ!そっち左足!」
「右の足って言ったじゃん!」
「右足って思うじゃん!」
2人で打ち込んだ弾はストーンゴーレムの右足に着弾し次々と砂になる、そしてバランスを崩したストーンゴーレムは崩れ倒れる。
「よっしゃ!結果オーライ!」
「頭ねらうよ~ん!」
「ふぁいあー!」
「うてー!」
青空、大愛、日葵は倒れた頭や肩に弾を撃ち込む。
「あ!アレ魔石じゃない!?」
千春はキラリと光った魔石を指差す。
「アレ狙えー!」
皆は首元まで砕けたゴーレムの魔石を狙う。
「え?当たったけど砕けないよ?」
「なんで?!」
続けて打ち込む青空達、しかし魔石は壊れない。
「ルプ、なんでかな?」
「銃と言ってもエアガンだからなぁ、パワーが足りないんだろ。」
「でもコレ着弾すると魔法発動するよ?」
「土の魔法では壊せないって事だろ。」
「それじゃ他の魔法?」
千春は弾を入れ替え氷の魔石を入れる。
パパパパパパン!
「・・・だめだ!」
ゴーレムは体の岩を再構築し立ち上がる。
「足狙えー!」
「うらうらー!!!」
美桜と麗奈はまた足を狙いゴーレムが倒れ、魔石が見える。
「何の魔法当てれば壊れるのかな、アリ~ン。」
「魔法では無理かもしれませんね、見た所魔法がはじかれています。」
「えー!近寄ったら危ないよね!?」
「危ないですねー。」
アリンハンドは腕を組み答える、頼子達は次々とゴーレムを砂に変える、するとゴーレムが砂を取り込み始める。
「げ!」
「砂のゴーレムになりそう!」
「サンドゴーレムにもなれるの!?」
青空達はゴーレムから離れ千春の横に移動する。
「最終手段しかないか。」
「ビェリー?」
「うん。」
千春が話しているとロイロがてくてくと近寄り足元の石を拾う。
「魔石を壊せば良いんじゃろ?」
「うん。」
ロイロは千春の返事を確認すると石を大きく振りかぶり魔石に投げつけた。
バキッ!!!!
「あ。」
「壊した。」
「あーゴーレム君オワタ。」
「お疲れゴレ君。」
魔石が砕け散りボロボロと崩れるストーンゴーレム、岩の山になると動かなくなった。
「石で壊せるんかーい!」
「さて、コン、封印はどうじゃ?」
「・・・少し妙ですね。」
「どうした?」
「はい、入口の封印結界かと思ったんですけどぉ。」
「違うのか?」
「違くはないんですけど、魔力結界と防壁結界も張られてます。」
「魔法と物理が効かないって事か?」
「はい、あと魔力が中に入らない様に仕組まれてます。」
「ほう?と、言う事は外に有ると言う事か。」
「はい。」
ペット達の話を聞き千春が問いかける。
「どういう事?」
千春や頼子達、そしてアリンハンドも近寄って話を聞く。
「つまり、中には魔力がありません、この結界を維持する魔力を大気から取り入れる為に、外に陣が有ると思うんです、結界自体を壊しても良いんですけどぉ~。」
「ほほー!・・・どこ?」
「探すしかあるまいのぅ、近くにあるはずじゃ。」
「探せー!」
「おー!」
青空達はドラゴンの護衛を付けバラバラに周辺を探り始める。
「ロイロ魔力感知とかで分かんないの?」
「うーむ、これと言った物は感知しておらんのぅ。」
「僕も探します!」
「わっちも~。」
「ミタマ!こっち探すわよ!」
「イロハ猫使いが荒いニャー!」
皆が遺跡の周辺を探る中、千春はゴーレムに近寄る。
「ゴーレム君の魔力も同じ所で充填してたのかな。」
ゴーレムが出て来た壁のあたりをテコテコ歩きながらのぞき込む。
「んー・・・ん?」
千春は崩れた壁の横に立つ小さな石碑を見つめる。
「これじゃないの?」
千春の腰ほどしか無い石碑をのぞき込むと、なにやら文字が書いてある。
「見つけたー!!!多分!!!」
千春が声を上げると皆が集まる。
「何か書いてるよ!」
「見せて頂けますか?」
アリンハンドは石碑の前に屈むと文字を見る。
「どう?あたり?」
「・・・すみません、読めないです。」
「ダメじゃーん!ロイロ!」
「儂かー?」
ロイロがアリンハンドと変わり石碑を見る。
「・・・何じゃこの文字は。」
「え?読めない?」
「読めぬのぅ。」
「えぇ~、誰か読めるかなぁ。」
「この文字見た事あるわ~。」
日本人形の彩葉は三珠に乗り石碑を見る。
「あ!飛行島だわ!」
「へ?これテールカちゃんの国の文字!?」
「じゃないかしら?」
コテンと首を傾げ彩葉が答える。
「テールカちゃん呼ぶ?」
「どうやって?」
「飛空島にフェアリーリングあんじゃん、リリ行ける?」
「まかせてー!」
リリは少し離れた所にフェアリーリングを作り飛んで行く、そしてリリに引っ張られながらテールカが現れる。
「何してるの?」
「テールカ!ちょっと!」
千春は手首をフリフリしてテールカを呼ぶ。
「これ読める?」
「これ?」
テールカは大きな一つ目を見開き石碑を見る。
「な!?なんでこんな物が?ココ何処!?」
「え、ジブラロールの王都から馬車で2日くらいの林。」
「えぇぇ!信じられないわ!」
「で?これ何?」
「この結界の維持装置、周囲のマナを取り込んで結界を維持してるの、絶対に解除するなって書いてるわ。」
「・・・解除して~。」
「ダメでしょ。」
「えぇ~!遺跡探検しにきたのにー!」
「ねぇテールカちゃん、この遺跡何?」
「そこまでは書いてないわ、でも中に何かを封印してるみたいね。」
「何を?」
「知らないわよ。」
JK達に問いかけられ呆れた様に答えるテールカ。
「お宝じゃないのかよー。」
「でも何封印してんだろ。」
「アイトネならわかるかな?」
千春はアイトネに声をかける。
(アイトネー見てるー?)
((見てるわよ~ん))
(ここ何?)
((んー、言ったら面白くないんじゃない?))
「えぇぇ・・・。」
「なんて?」
「コレ何か聞いたら言ったら面白くないんじゃない?って。」
「って事は開けても大丈夫っぽくね?」
「アイトネ開けて良いー?」
((良いわよー、何か有れば直ぐ助けるわ~♪))
「開けて良いって、何か有ったら助けるって。」
「へぇ・・・何か有るんだね。」
「あるね。」
「フラグ立ってんなぁ。」
「って事でテールカ、解除ヨロ。」
「へ?解除方法なんて知らないわよ?」
テールカは何を当たり前の事をと言わんばかりに返答する。
「解除出来る空気だったじゃーん!」
「読めって言われたから読んだだけよ!私は悪く無いわよ!?」
「コン!結界破壊出来るんだよね?!」
「出来まーす。」
「壊しちゃえ!」
「はーい、それじゃ皆さん離れて下さーい。」
千春達は塀の外まで出るとコンは九尾の狐に変化する。
「それじゃ壊しまーす。」
軽~く言うとコンは魔力を溜める、そして目の前に光る玉を作り出すと玉はゆっくり結界に近付く。
「凄いな、さすが神の御使い。」
「わっちには出来んねー、まぁ壊そうと思えば壊せるやろけど。」
「儂も力尽くで良いならヤレるが、周囲に被害が出るからのぅ。」
ルプ、ビェリー、ロイロが話していると光の玉が結界に触れる。
ビキビキビキビキ!
「おぉぉぉぉ!」
「結界にヒビが!」
「すっごぉい!コンちゃん!」
JK達は拍手しながら壊れる結界を見る、そして結界は氷の膜が溶けるように消滅していく。
「はい!消えましたー!」
「すごーい!これ魔法?!」
「領域結界破壊専用の術です!」
「凄い事出来るんだね、流石御使い。」
「えへへ~♪」
九尾の狐からいつもの姿に戻ると美桜の肩にピョンと乗るコン。
「それじゃ中に入りますかぁ!」
「待ってください!」
アリンハンドが待ったを掛ける。
「何?何か有った!?」
「いえ、チハルさんが先頭だと貴重な遺跡が壊れます。」
「失礼だな!壊さないよ!」
「いいえ!私達が先頭で!」
アリンハンドと魔導士団はウンウンと言いながら遺跡の階段を上り始めた。
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「・・・マナが・・・流れた。」
暗闇の中、鎖につながれた者は低い声でポツリと呟く。
「マナを・・・もっとマナを。」
暗闇の中蠢く様に魔力を吸収する、そして眠るように動かなくなると次は女性の声で呟き始める。
「ダメ、結界を壊してはダメ、魔力を、止めて・・・。」
そして床に倒れる。
「ダメ・・・押さえきれない・・・。」
そしてその者は気を失った。
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