封印されし遺跡!

「宝探ししたい。」

「唐突だなミオ。」

 美桜の唐突な発言に飽きれる麗奈。


「異世界じゃーん?ダンジョンとかあるじゃーん?」

「あるねぇ~。」

「どこかお宝ダンジョンとか無いのかな。」

「えー!ヤダぁ!」

 千春が美桜の発言に過剰反応する。


「虫いるもんねー。」

「あれキモい!」

「たしかにー。」

「でもあのダンジョンって、あの魔族の子が居るんだよね?」

「お宝無くなーい?」

「他にほら、昔の封印されたお宝とかさぁー。」

 美桜と麗奈が話をしていると頼子が帰って来た。


「やほ~い・・・なにしてんの?」

「んー、ミオが冒険したい発作発動中。」

「あー、まぁ分かる。」

「分かっちゃうんだ。」

「こう、なんかさー刺激欲しいよね。」

「皆異世界に慣れすぎ~。」

 分かっちゃった頼子に千春が苦笑いする、すると頼子の後ろからエンハルトとアリンハンドが入って来る。


「いらっしゃーい。」

「今日はソラ達は居ないのか?」

「ママさんズの所に行ってるよ。」

「揃ってはいるんだな。」

「何か用?」

「いや?顔を見に来ただけだ。」

「ふーん。」

 ニッコリと笑みで返すエンハルトに千春は顔を少し赤らめながら返事をする。


「ハルトさん!隠された財宝とか有りません!?」

 美桜はエンハルトに言うと麗奈と頼子が横で呟く。


「隠されてるから分かんないでしょ。」

「知ってたら財宝見つけてるっしょ。」

「むー。」

 正論パンチで返す2人にほっぺを膨らます美桜、しかしアリンハンドが答える。


「ありますよ?」

「「「「あるの!?」」」」

「はい、遥か昔に封印された遺跡が有ります。」

「マジか!」

「場所何処なんです!?」

「行きたい!」

「行けるんですか!?」

 4人は一斉にアリンハンドを見る。


「あー、すこーし遠いですが、ロイロさんにお願いすれば1時間掛からないかと。」

「へぇ、って事は馬車で2日くらい?」

「そうですね。」

「そんな近い所にあるんだ。」

「はい、でも危険ですよ?」

「へ?封印されてるんだよね?」

「えぇ、入口は封印されています、その入り口に門番が居るんですよ。」

「ほおおおお!!!」

「いいねぇ!!!」

「本格的じゃーん!!!」

「どんな門番なの?アリンさん。」

 盛り上がる千春、美桜、麗奈、頼子は冷静にアリンハンドへ問いかける。


「門に近付くとゴーレムが攻撃してきます。」

「ゴーレムかぁ。」

「ゴーレムなら何とかなるんじゃない?」

「ヨリの影かチハルのアイテムボックスに入れればいいし。」

「ルプ君いたから一発じゃん?」

「いえ、普通のゴーレムでは無いんですよ。」

 アリンハンドは説明を続ける。


「普通のゴーレムの5~6倍は大きいんです。」

「おお・・・ゴーレムって2m以上あったよね。」

「ってことは・・・10mくらいあんの!?」

「デカいな。」

「10m・・・どんくらいだろ。」

「3階建ての建物が10mくらいじゃなかったっけ。」

「おぉ、デカいな。」

「チハル、ボックスに入る?」

「むりで~す。」

「ヨリは?」

「んー、多分入ると思うけど。」

「ゴーレム一匹だけ?」

「はい。」

 頷くアリンハンド。


「倒せないの?」

「一度倒した事は有るのですが、暫くすると復活するんです。」

「リポップすんのかー。」

「めんどくさいなぁ。」

「ビェリー、10mのゴーレム捕獲できる?」

 頼子はルプ、コンと一緒に寛いでいた。


「んー余裕ばーい。」

「はい!余裕頂きました!アリンさん行きたい!」

 アリンハンドは苦笑いでエンハルトを見る、エンハルトは諦め気味の顔で頷く。


「ま、ルプ達やロイロも行くんだろ?」

「勿論、千春達だけで行かせるわけがないだろ。」

「ま、そうやろね。」

「僕も行きます!」

「私もいくわよ♪」

「吾輩はお留守番・・・いや、行きますニャ。」

 彩葉は首だけをぐるりと回し三珠に圧を掛ける。


「いつ行くんだ?」

「明日!」

「今日はもう遅いし明日から休みだからねー。」

「ソラ達も連れて行かないとね。」

「だねー。」

 美桜は異世界グループLIMEで連絡を入れる。


「うん、行くって、明日だね。」

「りょー、って事で明日行きたいでーす。」

 美桜が言うと麗奈も手を上げる。


「了解しました!ハルト!それでは魔導士団からも護衛を準備しますね!」

 アリンハンドは嬉しそうに言うと部屋を出て行った。


「おぉー、魔法バカな所が出ちゃってるよヨリ。」

「可愛いでしょ。」

 ニッコリしながら千春に返す頼子。


「魔導士団、いや、魔法使いとしてもあの遺跡は研究したがってたからな。」

「そなの?」

「あぁ、何度もチャレンジしているがゴーレムを倒しても数分で起き上がる、大きすぎて核が何処にあるかも分からない、調査しようがなかったからな。」

「そりゃバカになるよね~。」

「俺も明日の準備をしておこう。」

「誰連れて行くの?」

「騎士団と竜騎士団数人だな。」

「えーそんな大げさな。」

「王女で聖女のチハル、そして噂の聖女達が皆行くんだぞ?」

「うっ・・・。」

「え、ヨリのあの話マジなん?」

「マジマジ。」

「恥ずかしい・・・もう王都行けない。」

 聖女の話をされ皆は項垂れる、エンハルトは千春達に手を振り部屋を出て行く。


「それじゃ明日確定って事でおけ?」

「「「うぃーっす。」」」

 皆が返事をすると青空達が帰って来る。


「うぇーいお出かけー!」

「久しぶりだねー!」

「武器いる?弾補充しておく?!」

 ノリノリの3人がムカイ領から帰ってくると騒がしくなる。


「遺跡でしょー?暗いのかな?」

「懐中電灯あるよ~ん。」

「ロイロが魔法で明るくするから使わないよ。」

「えー!」

「室内なの?」

「いや、分かんないんだよね。」

「封印されてるらしくてさー、まだ中入って無いらしいんだよねー。」

「ゴーレムが守ってるらしいから。」

「ゴーレムね、ダイア、アレ使う?」

「炸裂弾はまだダメだよ。」

「炸裂弾!?」

「うん、土魔法の魔石で作ったんだけど、当たると四方八方に礫が飛ぶの。」

「危ないなぁ。」

「うん、指向性持たせれば良いんだけど出来ないんだよなぁ。」

「氷の魔石でよくね?」

「ゴーレムって石だよね。」

「石凍らせて止まるかね。」

「無理じゃね?」

 既にゴーレムと戦う気満々のJK軍団、千春と頼子はビェリーに回収してもらう気でいたが、他は違うようだ。


「ま、行けばどうにかなるっしょー。」

「んだね!」

「楽しみー!」

「ワクワクとまんねー!」

「はいはい、それじゃ晩御飯でも作りますかねー、何食べたーい?」

「こういう時って何かな。」

「勝負に勝つからトンカツ?」

「カツ丼もいいな。」

「何に勝つのさ。」

「ゴーレムに!」

「いや、ゴーレムは守護者だから目的は遺跡だよ。」

「良いの良いの!」

「それじゃカツ揚げまーす!」

「手伝うよー!」

「私もー!」

「かっつどん♪かっつどん♪」

 JK達は皆で厨房に向かい料理を始めた。



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「封印か、どんな封印だろうな。」

「人が作った封印やろ?わっちらなら壊せるやろ。」

「ロイロも居るからな。」

「僕も頑張りますよー!」

「コンはそういうのは得意そうだな。」

「はい!任せてください!」

「ま、俺も土地神してたからそこらへんは自信あるけどな。」

 ペット達はまだ見ぬ遺跡の封印の方を考え、千春達とは別にワクワクしていた。






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