閑話休題:ユラとイーレンお花畑に行く!
「ルプー!」
ユラは庭からルプに声を掛けるとルプが立ち上がりユラの傍に近寄る。
「どうしたユラ。」
「あのねー!おちゃかいがあるのー!」
「ほぉ?貴族のお茶会か、ユラが出るのか?」
「うん!レンちゃんといっしょにいくの!」
「それは楽しみだな、で?何か用事が有るのか?」
「うん!シャテルちゃんにね!プレゼントもっていきたいの!」
「へぇ、何を持って行くんだ?」
「えっとね、えっとね、お花!」
「花束か、ん~ここらに花畑在ったか?」
ルプは少し考える、そして部屋に居る最年長侍女レナエに声を掛ける。
「レナエ、ここらに花畑は有るか?」
「・・・えー、花は生えていると思いますが、花束に出来るような花はどうでしょうか、商業ギルドに聞いた方が早いかもしれません。」
「だそうだ、どうする?買いに行くか?」
「んー・・・花のねっくれすとかつくってあげたいの。」
「花束じゃないのか。」
ルプは壁に掛けられたドライフラワーを見る、ユラとイーレンが作ってくれた花のネックレスや冠だ。
「ところで何のプレゼントだ?」
「おたんじょうびなの、シャテルちゃん。」
「そりゃ手作りしたいか、イーレンは?」
「もうすぐくるよ!ルルがむかえにいったから!」
ユラがそう言うと同時にフェアリーリングが光り、イーレンとルル、ポポが飛び出て来る。
「ユラちゃん!」
「いらっしゃい!レンちゃん!」
「お花取りに行けそう?」
「んー・・・。」
ユラはチラリとルプを見ると、ルプは空を見ながら考えていた。
「ん~、リヴィルまで行けば花畑が有るんだが、フェアリーリングはリリしか登録してなかったな。」
「遠い?」
「ドラゴンで1時間ちょっとだ、結構距離があるな・・・ルル、ドライアドを呼べるか?」
「呼べますわー!」
ルルはくるくる回りながら返事をする、するとフェアリーリングが光る。
「ルプ様、お久しぶり。」
「久しぶりだな、すまないがリヴィルまで飛べないか?」
「飛べますわよ♪」
「お願いしていいか?」
「勿論、ルプ様達にはお世話になりましたから。」
ニッコリ微笑むドライアド、ルプは侍女達に話をする。
「ちょっと出かけて来る。」
「少々お待ちください。」
レナエはそう言うと、待機していたコラリーとドロテを呼ぶ、そして護衛にクーネス、トーテルの普通ではない普通の侍女2人を付ける。
「ルプ様、護衛でしたら私が準備しますわよ?」
ドライアドはニコリと微笑む。
「それは助かるな、コラリー、ドロテ、ユラを頼む、クーネス、トーテルも頼んだ。」
「「「「はい。」」」」
ドライアドは返事を聞くとフェアリーリングに光を灯す、そして景色が変わる。
「・・・直接花畑に来れるのか。」
「わー!きれーい!」
「きれいだねー!」
ユラとイーレンは嬉しそうに飛び上がる。
「ルプ様、管理者に挨拶して参りますね!」
コラリーはそう言うと、遠くに見える小屋を指差す。
「あぁ頼む。」
ルプはコラリーにお願いする、するとドライアドがルプに話しかける。
「それでは一度戻りますわ。」
ドライアドが護衛を呼ぶと消えて行った、そしてすぐに戻って来る。
「戻りましたよ~さぁ皆、ユラとイーレンの護衛頼みましたよ♪」
ドライアドが言うと、次々と新しく作られたフェアリーリングから妖精が飛び出してくる。
「わー!お花だー!」
「ユラちゃーん!ひさしぶりー!」
「イーレンちゃーん!やっほー!」
顔見知りの妖精がユラ達に声を掛け花畑を飛び回る、妖精だけで100は飛んでいる。
「キュキュちゃんひさしぶりー!」
「ミャミャちゃん!」
キャッキャと喜ぶ幼女2人、妖精達はくるくると空を飛び、ユラ達の周りを守る。
「ルプ様ー!許可頂きましたー!」
遠くから嬉しそうに叫ぶコラリー、ルプは頷きユラ達に声を掛ける。
「ユラ、レン、好きなだけ花飾り作って良いぞ。」
「はーい!」
「はーい!」
2人は気に入った花を次々と摘み始める、そして冠やネックレス、大きな花は花束にする。
「・・・ルプ?どうしたの?」
「ん、魔物が居る。」
「強い?」
「いや、たいしたことはない、俺が叫べば逃げるだろう。」
ルプは離れた林を見つめる、すると妖精達も気配を感じたのか集まり始める。
「魔物だ!」
「魔物がいるね!」
「ユラを守るよ!」
「イーレンをまもるの!」
「やっちゃう?」
「やっちゃっていい?」
「たおしちゃえ!」
妖精達は空をグルグルと回りながら集まる、そして。
バシュ!
一人の妖精が風魔法を飛ばすと、次々に魔法が飛び始める、林に隠れていた魔物はあっという間に切り刻まれその場に崩れ落ちた。
「たおしたー!」
「やったー!」
「まもったー!」
喜ぶ妖精達を見てルプは溜息を吐く。
「お前達やりすぎだろ。」
「まもるんだ!」
「まもるの!」
「魔物は駆除するのー!」
「おぶつはしょうどくだー!」
ルプの声もなんのその、妖精達はまた空を駆けまわり警戒を始めた。
「物凄い魔法ですね。」
侍女であり、サフィーナの従姉のクーネスは妖精を見ながらルプに言う。
「この1匹が魔導士団の魔導士より強いからな。」
「・・・それが100人!?」
騎士爵令嬢であり、冒険者としても活躍していたトーテルが驚く。
「いつもチハル王女殿下の横で果物食べてる可愛い妖精と思っていました。」
「私もです、怒らせると怖いのですね。」
「怒る事あるのか?こいつら。」
キャッキャと遊んでいる妖精達を見ながら3人は呟く。
「できたー!」
ユラは花の冠を掲げる。
「はい!クーネスおねえちゃん!」
「え?私ですか?」
「うん!」
「トーテルお姉さまもどうぞ!」
イーレンも同じ様に冠を作り頭に乗せる。
「有難うございますイーレン様。」
「ユラ、レン、シャテルに渡すんじゃねぇのか?」
「だってー!いーーーーっぱいお花あるんだもん!」
「沢山作ってみんなにあげるの!」
ユラとイーレン、コラリーとドロテは様々な花を使い花の飾りを作り上げる、そしていつもの様にルプに飾られ、花まみれになるルプ、しかし顔はまんざらでもなさそうに微笑んでいた。
「また魔物キター!」
「やっちゃえー!!!」
「ひゃっはー!」
妖精達も楽し気に護衛に勤しんだ。
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