第38話 僕、成長している
後半が始まると同時にアキラさんが来た
「試合はどんな感じ?」
と聞かれシンジ君が2点決めて2対0で勝っている事を伝えた
「そっか。それでどうだ?何か分かったか?」
僕は大きく首を横に振った
アキラさんは
「まあ難しいよな?じゃあもう1つヒント。相手のディフェンス、それと副審を良く見てみな。」
副審?そんなの全然意識してなかった
言われた通りに後半見ているとまたシュンスケ君はオフサイドラインを越えている
シュート君にボールが渡りシュンスケ君にパスする気がした
「オフサイドになっちゃう。」
僕は声が出てしまった
シュンスケ君はシュート君がパスを出す瞬間に一瞬でオフサイドラインまで戻った
副審は凄く真剣な顔でシュンスケ君の動きを見極め旗を挙げそうになったがすぐに戻した
相手ディフェンスは一瞬の出来事で対応できずシュンスケ君はキーパーと1対1
キーパーが飛び出した瞬間にインサイドでゴールの右角ここしかないと言う場所に転がして入れた
まるでお手本の様な綺麗なゴールだった
アキラさんのヒントを思い出してディフェンスと副審を良く見ると後半始まったばかりなのにディフェンスが息を切らせている
副審も肩で息をしてる感じだ
「気付いたみたいだな。」
アキラさんは続けて
「あーやって死角にいたりオフサイドギリギリで走り回るフォワードはディフェンスにとって本当に厄介なんだ。常に意識する事で体力もかなり消耗する。」
「そして常にオフサイドを見なきゃいけない副審はシュンスケみたいなフォワードの試合はマジできつい。下手したら選手より副審のが疲れるんだよ。」
「空は1試合目はシュンスケみたいな動きをしてた。ギリギリの戦いをね。2試合目ゴール決めるって気持ちあったか?囮になることばかり考えてたろ?」
そう言われ僕は大きく頷いた
「ゴール決めるつもりで動いた結果囮になるのは良い。でも囮になる事だけ考えて相手に気付かれたらどーなるか分かるよな?」
アキラさんの言ってる事が良く分かった
きっと合宿前の僕じゃ分からなかった
僕、成長している
きっと明日はもっと
アキラさんのチームに入って良かった
心から思った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます