第62話

(それはどうでしょう?夜にBランク以上の魔物と遭遇した場合、危険では無いですか?)


暗視とかで視界を確保したとしても、やっぱり危険か。

モンスターマンティスは強かったけど。

搦手を使わなかったから、初見でも攻撃が分かりやすかった。


初見の魔物と遭遇する可能性大の夜に活動するのは得策ではないか。

初見殺し、みたいな能力を持っている魔物がいないとは限らない。


「取り敢えず。罠をしけける場所に集まってきてる魔物の殲滅始めるよ?」


あぁ、もう昨日モンスターマンティスと戦ったところまで来てたか。

道中は、E、Dランクの魔物が多かったから分体に任せてたけど。

問題なさそうだな。

モンスターマンティスからドロップした。

モンスターマンティスの大鎌を装備させて見たけど。

凄い使いこなしてたようだし。


モンスターマンティスの大鎌はアニメとかに出てくる死神が使うような武器で、魔力を流すと斬れ味を大幅に上昇させることができる。

流石にモンスターマンティスみたいに飛ぶ斬撃とかは使えないみたいだけど。


分体は倒されること前提で、武器を用意してなかったけど。やっぱり武器を持たせると殲滅力が違うってくるな。

魔導知能が操作するから、どんな武器でも使いこなせるし、分体用の武器を用意しておくのが良さそうだ。


沙希の魔法で周りの魔物に次々と雷が落ちる。

正直、俺がすることがない。


ただ見ているだけと言うのもアレなので、

設置するトラップの用意を始める。

魔力物質化で作っておいた板に刻印術を使ってトラップとして使えそうな効果を付与していく。

この板を地面に埋めておいて、地雷みたいな使い方をする。


魔物が上にのったら自動で発動するようには出来ないから、手動で発動する必要があるので、使い勝手があんまり良いとは言えないけど。


それにしても沙希が魔法で落としてる雷。止まないな。

もしかして、ミラージュを使って落雷をコピーし続けてる?


よく見たら、魔力バッテリー手に持ってるし、恐らく間違ってないだろう。


それはそうと、雷を何度もくらってもピンピンしてる魔物がいるんだけど。

もしかして、Bランクの魔物また来ちゃった?


(もしそうだったら、流石にマスターに報告しています。アレは雷獣と言うCランクの魔物です。名前に雷の名が着くことから分かるように雷に対して高い耐性を持っています)


成程。雷は耐えれても。アレーネの爆発弾と精霊の攻撃で、倒せそうだし。問題なさそうかな。


「一旦、結界を張って魔物が入って来れない空間を作ったから、今のうちに罠を設置しちゃおう。アレーネは結界が壊れそうになったら教えて」


魔物の波は途切れそうにないから強引に魔物がいない状態を作り出すようにしたようだ。

俺も結界がもってる間にできるだけ、刻印地雷を作って設置していくか。


カードの回収を分体に任せて刻印地雷を作ることに集中する。


(マ…マス…ター…マスター!!緊急事態です。Bランクの魔物が出現しました)


魔導知能の報告に顔を上げて結界の外を見ると2トントラックぐらいのサイズで腕が四本あるクマが立ち上がり結界に攻撃しようとしているところだった。


沙希とアレーネは迎撃する準備をしっかりしている。

気づいてなかったのは俺だけらしい。


(マスターがひとつの事に集中しすぎるのは悪い癖です)


その通りなんだけど。お説教は後でってことで。


とりあえず。今はあのクマを倒す事を考えなきゃ。


「フォーアームベアーが結界を破壊して中に入ってきたら、もう一度結界を張るから。少しの間、勝吾がフォーアームベアーを引きつけといて」


結界が破壊されたままだと、魔物がどんどん集まってきちゃうからな。

だからと言って無茶を言ってくれると言いたいところだけど。

丁度、新しい刻印が完成して試してみたかったところだから、張り切ってタゲ取りさせてもらおう。


結界がパリーンと音を立てて破壊され瞬間。

身体強化を全開で発動させて、フォーアームベアーの懐に入り込んで、軽いジャブを入れて離脱する。


フォーアームベアーは殴られた足の部分を不思議そうに数秒眺めてから、二足歩行から四足歩行になって、沙希とアレーネには目もくれず、こちらに向かって走ってくる。刻印は、しっかり思い通りの性能を発揮してくれてるみたいだな。


(マスター何をしたんですか?)


流石に今説明してる余裕は無いから、後でね。

魔導知能も入り込んで来たこのクマ以外の魔物の殲滅急いでよ?


魔導知能が操作している分体達は、沙希が結界を張り直すまでに侵入してきたフォーアームベアー以外の魔物の殲滅をお願いしてる。


なので、Bランクの魔物とタイマンすることになっちゃってるんだけど。

時間稼ぎぐらいなら何とかして見せよう。

レベルも上がってるし。身体強化の倍率も使い続けてるからか上がってるし。


何より、新しい刻印がしっかり機能した事によって、かなりテンション上がってるし。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んで頂きありがとうございます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る