第61話

「やっぱりBランク以上は今戦う相手じゃないな。出来るだけ、遭遇を避けないと」


逆に自分たちのレベルを上げられれば、勝てるようになれる。


「森に入って直ぐに遭遇した。これからもBランクの魔物と遭遇する可能性は否定できない」


沙希の言う通りなんだよな。

どうしたもんかね。

ゲイ・ボルグをもう一度作るのは現時点では無理。


ゲイ・ボルグに使っている刻印を分解して、HPを貫通できるって効果だけの刻印銃の弾丸を作るか?


地球にいる時だったら、

HPなんて言う便利で厄介なものはなかったわけだから。

現代刻印術で、ゲイ・ボルグの神代刻印術を再現出来ただけで満足しちゃってたけど。

刻印を分解して、効果事に付与できるようにするのも良いかもしれない。


ゲイ・ボルグの刻印は今までみたいに、ひとつの効果を付与する物じゃなくて、ひとつの刻印で様々な効果を付与するタイプなので。

ゲイ・ボルグに付与されて効果の一部だけを他の武器に付与するってのは現時点では厳しい。

現代刻印術で、ゲイ・ボルグの再現を成功させたのは俺なので、やってやれない事はないと思うけど。

すぐにってのは難しいよね。


「取り敢えず。さっきの戦闘でみんなレベル上がってるだろうし、神像にお祈りしてレベルを上げてもらおうか」


全員かなりの数、魔物を倒してるからね。


レベルをあげた結果。俺がレベル15。沙希がレベル17。アレーネがレベル10。アレーネの契約している精霊がレベル12になった。


順調にレベルが上がってるのは嬉しいけど。


Bランクの魔物と安全に戦闘するなら、まだまだレベルが足りない。


ちなみにダンジョンってここから遠いの?


ダンジョンは難易度低いって話で、この島にしたんだからダンジョンの中に入ればBランクの魔物と遭遇することは無くなる。


(森の中に入口が存在していますので、ダンジョンに向かう途中というのはどうしても危険を伴うことになるかと)


最悪、俺と沙希は防具が有るから即死はしないと思うんだよね。

Bランクの魔物の攻撃を食らっても。


アレーネに関しては最低限、俺の執事服と同じレベルの性能の服を用意してあげたいんだけど。

素材の当てがない、素材を手に入れられたとしても流石に服は作れないし。


「取り敢えず。ルーン魔法で予め罠を仕掛けておくスペースを作っておくのが良いかも」


確かにこっちが有利なフィールドで戦うってのはその通りだな。


「今、その作業が一番しやすいのって、やっぱりさっき戦闘していた場所だよね」


モンスターマンティスが木を切り倒しまくってくれたからな。


切り株は残ってるけど視界も良くなってるし。


「でも、戦闘音で魔物たちが寄ってきてそうですけど」


結構派手にやったからね。

そこんところどうなの?魔導知能。


(やはり魔物は寄ってきていますね。因みに9割昆虫系です)


残り一割は木が切り倒されて日当たりが良くなったことで、移動してきたトレント系だと。

やっぱり植物なんだな。


(トレント・フルーツも寄ってきたので、討伐しておきました)


流石、魔導知能頼りになる。


「やっぱり魔物はそこそこ集まってきてるって」


「一日休んで、明日。魔物の殲滅から始める?」


そうすれば、神代ルーン魔法が使えるし。


できる限りの準備もできる。

準備と言うか。魔導知能に分体を操作させて切り倒された木を移動させたり。

出来るだけ魔物を排除させたりするぐらいだけど。


この日は精神的な疲れが凄かったので、まだまだ寝るには早いけど、寝ることにした。


「やっぱり人間って一回寝れば割と何とかなるもんだね」


外に出てみると。丁度日の出のタイミングだった。

あんなに早く寝たのに、夜一度も起きなかったってほんとにグッスリ寝ていたらしい。


それにしてもかなりの量の木が集まってしまったな。

枝打ちされて、一箇所に集められている丸太を見ながら。あれ、個人で使う量じゃないなと呟く。

いちばん太いところで、直径50cm程で長さが10数メートル。

そんな丸太が何本も集められている。

捨てるのは勿体ないし。何かしらに使えたら良いんだけど。


丸太のことは一旦置いといて、あの後結局魔物はどんな感じだった?


(Cランクの魔物とは、数回戦闘になりましたが。Bランク以上の魔物はモンスターマンティスと戦闘した場所に現れることは有りませんでした)


流石にBランクの魔物がゴロゴロいる訳では無いか。


だからって油断していいわけじゃないので、しっかり対策させてもらうけど。


朝ごはんはしっかり食べないと力が出ないので、朝ご飯を食べた後、準備をして直ぐに昨日モンスターマンティスと戦闘があった場所に向かって歩き出した。


「それにしても、魔導知能の話を聞く分には夜活動した方が。虫系の魔物が活動してないから安全な気もするんだよね」


夜になると、虫系の魔物は活動しなくなり。

夜活動するナイトと名前につく魔物が活動し始める。

普通の森よりかはやっぱり数が多いみたいだけど。

虫系の魔物と比べたらましな量みたいだし。



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読んで頂きありがとうございます。

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