第50話
「夜にしか活動しない魔物って以外に多いんだね」
グラフェンから出発して数日。
疲れを知らない分体に馬車を引かせているので、24時間ずっと馬車で移動した結果。
普通に馬車で移動するのに比べて、かなりの距離を稼ぐことができた。
移動中に2人の分の刻印銃を完成させて渡してある。
発射機構は全部同じだけど、グリップの部分が各々の手にフィットするように作られている。
ちなみに弾を撃つのに刻印術を使う銃という事で、刻印銃と呼ぶことにした。
それ以外にも、馬車のまま海を渡れるように馬車に刻印術で効果を付与したりもした。
流石にその間は、進め無かったけど。
その間に料理を作り貯め出来たので、馬車に乗ったままでも本格的な料理を食べることが出来た。
今は、魔法で光源を確保しての夜間走行中で、全身、真っ黒な毛に真っ赤な瞳をした大型のクマ。
ナイトグリズリーと戦闘中だ。
夜間は名前にナイトとついた魔物が結構な数徘徊している。どの種類も黒い毛に赤い目をしていて、明かりが無ければ暗闇と同化して目視で発見するのはかなり大変だ。
ナイトグリズリーはCランクの魔物なので、麻痺も全然効かないし、俺が衝撃を付与した革手袋で殴って、沙希とアレーネに近づけないように立ち回って、その間に2人+アレーネの契約した精霊の遠距離攻撃で削りきってもらう作戦だ。
それにしても、咆哮で魔法の威力を減衰させるとは思わなかった。
ただ、咆哮となると連続で出来るものじゃないので、全ての魔法の威力を減衰させることは出来ないし。
刻印銃の弾丸は当然、魔法じゃないので威力を減衰されることは無い。
ちゃんと特殊弾も作ってあるので、良い感じにHPを削ってくれた。
と言うか同じCランクの魔鹿と比べて、ナイトグリズリー強すぎない?
同じランクでも強さの幅は結構あるって事?
(それも有りますが。あの時の魔鹿は、鹿が魔鹿に変異してすぐだったので、魔鹿本来の力を使えてなかったと言う理由が1番大きいです)
魔鹿は普通の動物の鹿が体内に魔力を溜め込みすぎた結果。魔物化した存在なんだっけ?
変化したてって言うなら本来の実力が出せないのも納得出来る。
ちょっと思ったんだけど。人間も魔物化したりするの?魔人みたいな感じで。
(現在私が調べられる情報に魔物化した人間の情報はございません。ただし、人間も生き物である以上。魔物化する可能性はゼロという訳でないと予想します)
だよね〜。
魔力を溜め込みすぎた結果。魔物化するなら、俺が魔力を流し込む続ければ魔物化するのかな?
(正確に言えば、魔物を生み出した神。闇神ヘラフィリスの魔力を体内に溜め込むとですね)
魔物を生み出した神ね。
取り敢えず。俺の魔力を生き物の体内に流し込み続けても、魔物化しないって事は分かった。
(と言っても。体内に溜め込んでおける魔力には限度が有ります。無理やり流し込む続けると風船みたいにバンッ!って破裂しますよ)
うん。絶対にやらない。
さてと、ナイトグリズリーも倒せたみたいだし。カードを拾って移動を再開しよう。
HPがゼロになってダメージが入るようになってから、俺が前衛でナイトグリズリーを足止めしなくても、現代ルーン魔法の絨毯爆撃で動けなくなっていたので、呑気に考え事をしながら。その光景を見ていたけど。
ナイトグリズリーが倒れたので、ドロップ品のカードだけ拾って急いで移動を再開する。
かなりの範囲に戦闘音が響いてた筈だからね。
魔物が集まってくる可能性も有るし。
何が起きてるのか人が確認に来る可能性もある。
どちらも遭遇したら、めんどくさいので、急いで移動を再開した訳だ。
「それにしてもやっぱり、ずっと移動し続けるのは疲れますね。普通の馬車よりだいぶ楽だとしても」
まぁ、確かにずっと乗りっぱなしってのは疲れるよな。
「まぁ、もうそろそろ海に到着するはず……だよね?」
(そうですね。途中で何も起きなければ、20程で、森を抜けて海が見えてきます)
森を抜けてすぐに海か。
広葉樹に見えるけど。塩害にも強い種類って事なのかな。
早く島に移動して、一週間ぐらいダラダラしたい。
無人島開発パートだな。
そこまで、やるか分からないけど。
最低限、生活出来るだけは開発するけどね。
「ん?マレーバク?あれって魔物?」
「アレはユメクイです。絶対攻撃しちゃダメですよ!攻撃しなければ中立的な魔物なので。Aランクの魔物なので、敵対したら死人が出ても可笑しくない相手です。私は確実に死にます」
魔導知能の警告の前に、こちらに接近してきた時点で、今までの魔物とはレベルが違うだろうなって思ってたけど。
Aランクか……戦わなくて済むなら、戦わずに移動した方がいいな。
Bランクの魔物とすら戦った事もないから、どれだけの実力があるのか、分からないし。
Aランクの魔物のドロップ品気にならないわけが無いけど。
死んじゃったら意味が無いからな。
今回は戦闘をせずにユメクイの横を通り抜けた。
ユメクイから離れて少ししたら、ユメクイのいた方から大きな爆発音が聞こえて来た。
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