第47話

「と言うか。フレンさんの体は大丈夫なんですか?」


神降ろしをするなんて体の負担凄そうだし。


「出来るだけ負担はかからないようにしていますが……1週間ぐらいは寝たきりでしょうか?」


思ったより負担かからないな?なんか、もっと下手すると死ぬとか、そのぐらい負担がかかるものだと思ってたけど。


「とは言え。これ以上この状態を続けると1週間寝たきりでは済まなくなるので、今回はこれで失礼します」


そう言ってフレンさんから神様的な雰囲気が消える。


そのまま受け身をとらずに地面に頭から突っ込んで行ったので、ケガしないように受け止める。


「聖騎士さんで良いんですかね?おまかせして大丈夫ですか?」


兜を被っているので、素顔は分からないけど。

鎧の形から女性の騎士だろうなって人にフレンさんを任せる。

キャッチして分かったけど、フレンさん女性だったからね。


「お任せ下さい。元より、私はそのためについて来ていますので」


成程。まぁ、最初からこうなるのはわかってた筈だし、そう言う人員を最初から用意しておいて当然か。


渡そうとして、止まる。

う〜ん。神を降ろせる人材が教会内で発言力を持っていないわけないよな?

そんな人物が1週間寝たきりって色々滞りそうだよな。

今回の後始末とかも。


神代ルーン文字でルーン魔法を使えば、何とかなるかな?


回復魔法をフレンさんに対して行使してみる。


「あっ。これヤバイ」


突然、意識が朦朧とし始める。あと数秒で意識を完全に失う感じだ。


魔導知能。取り敢えず、沙希に2~3日寝るって伝えといて。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ー沙希sideー


「勝吾!!」


多分、神代ルーン文字で回復魔法を使ったんだろうけど。

その反動なのか、勝吾が気を失ってしまった。


勝吾が新しい事を出来るようになると。

調子に乗ってやり過ぎるのは悪い癖だ。

その度に私が死ぬ程、心配してると言うのに……


(マスターは最後に2~3日眠ると)


このタイミングで2~3無防備になるなんて、暗殺してくださいと言っているようなものだ。


そもそも、神代ルーン文字を使ったルーン魔法を体のダメージだけで使える訳が無い。


魂自体にもダメージが入っての可笑しくない。

ヒューマンスライムになって体のダメージは気にしなくても良くなったのかも知れないけど。魂とかに受けたダメージは直ぐに治せる訳じゃない筈。


「魂にダメージを受けたと言うより、生命力を消費しすぎた感じ」


魔法で何が原因で気絶したのか、少し調べてみたら。どうやら生命力を消費し過ぎたようだと言う事が分かった。


生命力ってのは、人が生命活動を続ける為に必要不可欠なエネルギー。魔力はゼロになっても死なないけど。

生命力はゼロになると死ぬ。


後は一度に大量に消費すると寿命が削れる。

一度に大量に消費しなければ、寿命は減らないし、普通に回復するので。

魔力ではなく生命力を使って戦う人間も地球には存在した。


今回の勝吾は生命力を一気に消費したことで、生命活動を維持することが難しくなったことで、生命力の消費を最低限にする為に気絶したと言うことみたい。


寿命は5年ぐらいかな?


まぁ、死んだ後もヴァルハラでイチャイチャできるのは確定しているので、5年ぐらいならまぁ……


起きたらお説教しないと。

止められなかった私にも責任は有るけど。

自分の生命力を消費されてるの分からなかったのかな?


(マスターは生命力という言葉は一言も言っていませんでした)


神代ルーン文字を使えることにテンション上がりすぎてたのかな?

自分の中の生命力の把握ぐらいは出来るようになってた筈なんだけど。


「勝吾様が私に魔法を使って倒れたと聞いたのですが、大丈夫なのでしょうか?」


あぁ、フレンって言ったっけ?

自分に魔法をかけた人がぶっ倒れたそれは心配になるだろう。


「2~3日寝れば復活するから問題ない。勝吾の心配より。アレの処理をしっかりやって」


そのつもりで、勝吾もこの女の治療をしたんだろうし。


「私はアレーネを迎えに行かないと行けないから」


これ以上ここにいると、私まで後処理の手伝いをしなきゃ行けなくなりそうだし。連れを迎えに行くと言って、この場から立ち去る。


先ずは、勝吾を部屋に寝かせて、ルーン魔法で何重にも侵入者対策をして、魔導知能に護衛を任せて、アレーネを迎えに行くために商人連合会の建物に向かう。

何か揉め事が起こっているのが見えたので、戦闘ではまだまだ役にたちそうにないアレーネは他の場所に退避させた。

どこに行くつもりか聞く前に勝吾のところに行っちゃったけど。


商人連合会に幼なじみがいるって言っていたので、商人連合会の建物にいるはず。


そう言えば、魔導知能って勝吾のスキルなのに勝吾が意識を失っても起動してるんだね。


(そうみたいです。スキルを封印されるか。マスターが私を停止させなければ、例え意識がない状態でも起動状態を維持できるようです)


本当、魔導知能ってスキルの域を超えてる。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



読んで頂きありがとうございます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る