第43話
(冒険者ランクを上げておけば、侮られることが少なくなると言う、メリットも一応存在しますね。マスターの場合。ティリス教から聖人認定されてますから社会的地位という点では既に問題ないと言えばないですが)
聖人?いつの間にそんなものになったの?
……もしかしなくても、このメダルか。
このメダルを見ただけで、門番の対応が変わったし。ただ、ティリス教が俺の身分を証明してくれるだけの物とは思ってなかってけど……
ちなみにこの世界の聖人の定義ってどうなってるの?
(神に認められた者に与えられる称号ですね。なので、教会が勝手に聖人を増やすことはできません。神からこの人物は聖人の称号を与えるに値する。と神託が来るらしいですよ。ちなみにそのメダルもその神託の時に一緒にどこからともなく現れると言われています)
神から与えられた称号ね。
だから、メダル一つであんなに態度が変わったのか。
ティリス教の教会に行った時もすごい丁寧な対応だったもんな。
なってしまったものは仕方ない。できる限り有効活用させてもらおう。
聖人だから何かしないといけないってこともないみたいだし。
本来はあるんだろうけど。
フレンさんが特になにかする必要はないって、このメダルをくれた時に言っていたし。
因みにダンジョンに入れるのって冒険者だけなのかな?
(それに関しては確認してみないと分かりませんが。可能性はあると思います)
騎士とか、レベル上げをするために態々冒険者になってランクを上げたりするのかな?って思うし。多分ランクを上げなくても中級ダンジョンに入れる方法があると思うんだよね。
そこら辺は冒険者ギルドで聞いてみるのが良いか。
「取り敢えず。グラフェンからは移動するけど。未発見のダンジョンに直接行くんじゃなくて。発見済みのダンジョンに行って、沙希の罠探知がダンジョンの罠にも有効か確かめに行くことにする」
「じゃあ、直ぐにグラフェンから出るの?」
「馬車を買って、改造したいし。まだ、数日グラフェンにいることになると思う」
馬車があった方が移動中怪しまれたりしないと思うし。
寝床にしたり使い道はいっぱいあるからね。
馬の形に変形した分体を魔導知能に操作させて馬車を引かせるので、馬のお世話も要らない。
目立つけど。聖人とか言う持ってるだけで目立つ称号を持ってるんだから。逆にある程度目立った方が絡まれなくなる気がするし。
聖人であることを極力隠すって言うんならそうはならないけど。
隠すつもりはないからな。
やりたい放題するつもりもないけど。
「じゃあ私とアレーネは、勝吾が馬車を魔改造している間は、2人でダンジョンに入って少しでもレベルが上がるように魔物を倒しに行く」
まぁ、精々。整備されてない道を通ってもガタガタならないように。衝撃吸収の効果を付与する程度だから半日有れば完成するけど。
取り敢えず。商人連合会のレンタル馬車を買い取る予定だから。刻印術で魔改造しようにも馬車の素材的な問題で出来ないってだけだけど。
「と言う訳で、レンタル馬車を買いたいんですけど」
「いきなりという訳で、と言われてもどういう訳なのか、全く分からないので一から説明してください」
あの後、沙希とアレーネは、実際に魔物に向かって、銃を撃ってみると言ってダンジョンに向かった。
俺はダンジョンには行かずに商人連合会に来て、レンタル馬車を買いに来ていた。
知り合いの方が話しやすいなと思ったので、ケルラさんを見つけて話しかけたところだ。
「急ですけど。新しい街に移動しようと思いまして。移動に馬車があった方が楽だと思って。買えないかなって、相談しに来たんです」
「成程。お気持ちは分かりますが。馬車の維持、馬の世話かなり大変ですよ?」
だからこそ、馬車を個人で所持している人は少ないし。商人連合会がレンタル馬車って言う商売ができるんだろうけど。
「それに関しては、どうにかなるんで問題ないです。ここだとレンタル馬車を売ってもらう以外に馬車を手に入れる方法がなさそうなんですけど。売って貰えませんか……後、馬は買わないです。スライムに引かせるので」
村に馬車を売ってるような場所なんてないからね。
「スライムに引かせるですか?」
「俺のスライムは特別製ですからね。姿を変えたりもできるんですよ」
「成程。かなり賢いスライムだとは思っていましたけど。色々特技がある訳ですね。販売をする事は出来ますけど。正直かなりボッタクることになりますよ?レンタル馬車に使われる馬車は、商人連合会が使ってかなり古くなった馬車なので」
やっぱりそうか……と言ってもそれぐらい想定通りだ。
身体強化して走って移動だと、色々大変だろうし。
「承知の上です。あぁ、後。アレーネは妻の一人として一緒に行くことになりましたので」
ケルラさんはアレーネと同郷で、幼なじみみたいだし、ちゃんと報告しておかないと。
「上手く行ったようですね。正直、聖人の嫁とか玉の輿すぎて羨ましいですけど。親友として祝福させてた頂きます」
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