第四十八話 調査協力の依頼

『ワイワイ・ガヤガヤ・ザワザワ』


『警備隊の隊長から調査協力の依頼を取り付けて来ました。これでリューベックの法律に違反しない範囲であれば、未登録の魔法使マーギアーいの疑いを掛けられている男性に対する情報収集を隠し立てする事無く行えます』


叡智ヴァイスハイト学園の学生食堂で集合した私達三人ですが、ペーターとハイディの男女の学友は揃って笑みを浮かべまして。


『フローリアンは本当に仕事が速いよね♪』


『フローリアンには能力主義のリューベックの気風が合っているわね♪』


笑顔で話したハイディでしたが、学生食堂で頼んだ牛乳粥ミルヒ・ライスを一口食べますと。


『リューベックの最高級の宿泊施設ウンタークンフトに逗留されている御母様から話しを伺って来たわ。毎晩騒がれている殿方は、貴族諸侯の私生児という訳ではなさそうよ。それと、髪の毛に貞淑ていしゅく髪飾ハール・シュムックりを着けたままで会いに行ったから、どのようにミスリルズィルバー製の髪飾ハール・シュムックりを入手したのか訊ねられたから、学友のフローリアンとペーターからの贈り物だと説明したら、明日の夕餉ゆうげに招待するように申し付けられたわ』


未登録の魔法使マーギアーいでは無く、貴族諸侯の私生児なので、派手な乱痴気騒らんちきさわぎを毎晩繰り返していても、周囲が口を出せない可能性もあるかと思いましたが。ハイディに御母堂の男爵バローン夫人様に話しを聴いて来てもらい、その可能性は無くなったようです。


『嫌な役割を頼みましたハイディ。御招待は御受けします』


私とハイディの話しを聴いたペーターも口を開きまして。


『リューベック参事会との繋がりも無いとお父さんは話していたよ。それとお父さんとは同僚の議員の親戚の方が毎晩騒ぎを起こしている賃貸物件の近くに住んでいて、対処して欲しいとの陳情が寄せられているから、参事会としてもリューベックの法律の範囲内で問題を解決してくれるなら感謝をするって。ボクも明晩の御招待を受けさせてもらうね。ハイディ』


貴族諸侯の皆様方とも、リューベック参事会の議員とも繋がりは生さそうです。やはり未登録の魔法使マーギアーいである可能性が高まりました。

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