殺したくない殺し屋と天真爛漫女子学生の交流。その行く末は?

殺し屋ナイツは、読書好きで穏やかな性格の青年です。常に敬語で話し、殺しのターゲットにさえ丁寧な物腰の彼は、望んで殺し屋になった訳ではありません。
そんなナイツはある日、暴漢に襲われていた女子学生のサンを助けます。二人の交友はここから始まるのです。


この作品では、心に暗いものを抱えた青年と、明るい女性(でも、もしかしたら訳アリ?)の交流が、日々の何気ない描写を交えつつ丁寧に描かれています。
やや強引気味なサンですが、少しずつナイツの心に寄り添って、互いになくてはならない存在になってゆく様子に、胸が温かくなります。

とはいえ、ナイツの職業は殺し屋。心の交流だけでなく、仕事を遂行するためには戦わなくてはなりません。異能を駆使した迫力満点の戦闘シーンは見ものですし、死を扱うため、胸に重く響くテーマ性のある物語も繰り広げられます。

また、ストーリー展開も巧みです。
ナイツにもサンにも、何やら事情があるようなのですが、ここぞというタイミングで少しずつ明らかになるので、スッと頭に入ってきました。

二人の交流の行く末には何があるのか?
ぜひ多くの方に見届けていただきたいです!

その他のおすすめレビュー

平本りこさんの他のおすすめレビュー560