史実と虚構の境界で

実在の棋士名を冠した、永世名人と五冠の攻防戦。
盤を挟んで本当に対局しているかのような緊張感と丁寧な描写に、思わず史実や棋譜をなぞっているのかと錯覚してしまうほどのリアリティがあります。

やがて永世名人がじりじりと追い詰められ、そこで放たれる一手はとんでもない奇策。

将棋に詳しくない方でもぐっと引き込まれる展開です。
将棋好き、『月下の棋士』が好きな私は、思わずニヤリとしてしまいました。

流れるような対局描写が描ける作者様だからこそ生み出せる迫真の一局。
結末はぜひ、ご自身の目でお確かめください。

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