第214話・東方領到着
「なんか荒れ地ばっかりだね」
「東方は山岳地帯や荒れ地に密林と、あまり人が住むのは適しておりません。伝説では昔は豊かな土地で太古には発達した国があったとか」
のんびりとした空の旅が続き、いよいよ目的地が輸送機の窓から見えた。
しかしそこはゴツゴツした岩と岩山しかない、荒野のオアシスのような町だった。
サボテンに似た植物が点在していて、アメリカやメキシコの映画のような景色に似てるかもしれない。
事前調査では鉱物資源などの地下資源とダンジョンで生きてるんだとか。
「パトラ〇シュが……パトラ〇シュが……」
「クーン……」
「クーン……」
移動中は暇だったので宇宙要塞に貯めていた映画やアニメを見ていたけど、クリスとミリーとロボとブランカはフラ〇ダースの犬の最終回にショックを受けていた。
あのアニメってオープニングが明るい割に内容がねぇ。
一応仕事なんですけど。テンション下がりすぎて無理そうだ。
「さて、どうしようか。この輸送機で町に行くと目立つよね」
「一応馬車も積んでます。郊外でそちらに乗って町に行くべきでしょう。馬車の内部ならば感染症対策がされてるので、原因不明の病にかからない可能性が高いです」
「問題はクリスとミリーだけど……」
帝都では開き直って使っていたけど、田舎の町にこの世界では見ることのない輸送機で行った日には騒ぎになるよなぁ。
オレとエル達はいいんだ。オレは生体強化のおかげでエル達はアンドロイドだから、多分感染症にはかからない。
どうしようかと悩むのは現地人のクリスとミリーとお付きの侍女の二人に、ロボとブランカだ。
まあ致死率はあまり高くないが、治療方法もないので体力や抵抗力が低下すると亡くなる人はいるらしいが。
「パトラ〇シュの仇を取るのじゃ!」
結局ミリーとクリスも町に行くらしい。というかパトラ〇シュはもういいから。
町から離れた人気のない荒野に輸送機を降ろして馬車に乗り換える。今回は人数が増えたから馬車は三台にしていて、二台はキャンピング馬車になるが一台は荷馬車にした。
一応旅の商人の設定なんで、荷物は塩と魚の干物とか海産物を中心にしてみた。
ただ近くのダンジョンでは魚の魔物がいるフロアもあるようで、高価だが生の魚も手に入るし塩も岩塩があるらしいからそこまで高値になる物ではない。
久しぶりの馬車だ。空の旅もいいけどのんびりとした馬車の旅も悪くない。
何が待ち構えて居るんだろうね。
ファンタジー世界に宇宙要塞でやって来ました 横蛍 @oukei
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