第12話 昼休み
「ほんと、誰も仲間が集まらないんだよ。だから部活動じゃなくて同好会」
昼休みの教室、宮尾レイジは俺のとなりで弁当を食べていた。
聞くに、レイジは上級生の派閥に属することを断って自分の仲間を探しているらしい。
「嫌になるよなー、みんな能力者のくせに、大衆迎合しやがってさー」
「人を集めるなら、スポーツクラブの方がいいんじゃないのか?」
「俺もそう思うんだけど、誘った女の子が文系でさー、運動苦手なんだよ」
「なるほど、合わせてあげたのか。キミは意外といいやつだな」
俺が褒めると「よせよー」とレイジが照れた。
「だからさ、おまえも仲間になってくれよ、頼むぜシリアルキラー!」
「青虎だ……シリアルキラーと呼ぶなよ、人目がある」
「頼むぜ青虎!」
「構わないが、将棋は初心者だぞ」
「そっちの腕前は期待してないから安心してくれよ……っと、来た来た!」
「ん?」
「最初に誘った女の子、お昼に呼んでおいたんだ、おーい! こっちだ!」
教室の入り口に向かって、レイジが大きく手を振って呼びかける。
丸眼鏡の女の子が、じっと、扉に隠れて、俺の方を、見ていた。
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