第15話 うん。エッチして、ルビア姉さんたちと結婚すればいいと思う

 俺は一睡もできず、朝を迎える。


 そして、昨夜、ルビアが…


「これから覚悟しててね」


 と、言っていたが、その通り、覚悟が必要だった。





「ご主人様!“あーん”してください!」


「あー!お姉ちゃんずるいよ!ウチも……ご主人!“あーん”です!」


 朝、俺はいつも通り朝食を食べようとすると、リリィとミュアが俺に“あーん”をしてくる。


「こ、これくらい自分で食べれる……」


「「ダメです!」」


「な、なぜ!?」


「ご主人様に“あーん”をするのはメイドのお仕事なので!」


「そうです!ご主人はただ口を開けていただくだけで大丈夫です!」


「いや!リリィたちの手を煩わせるわけには…」


「これくらい問題ないです!好きな人に“あーん”をしたくなるのは当然のことなので!」


「お姉ちゃんの言う通りです!ウチも大好きなご主人に“あーん”がしたいだけです!」


「でも……」


「そ、それとも、ご主人様は私たちから“あーん”をされるのが嫌……ですか?」


「ウチもご主人が嫌がることはしたくないです」


 言葉に勢いがなくなり、不安な表情となる。それに併せて、猫耳と尻尾も元気がなくなる。


「ご主人様は私たちのことが嫌い……ですか?」


 今にも泣きそうな目で2人から聞かれる。


「そ、そんなことないぞ!俺はリリィもミュアも大好きだ!」


「あ、ありがとうございます……と、とても嬉しい……です」


「ウ、ウチのこと、ご主人が大好きって……」


 不安な顔から一転、顔を赤くして蕩けた顔となる。


(くそぅ…かわいいじゃねぇか……)


 未だに体をクネクネさせるリリィたちを見てそう思う。


 そして…


「で、では、気を取り直して……“あーん”」


 俺はリリィたちの誘惑に耐えきれず、口を開く。


「どうですか?お姉ちゃんからの“あーん”は美味しいですか?」


「あ、あぁ。とても美味しいよ」


 結局、俺はリリィとミュアに朝食を食べさせてもらった。





 そして昼過ぎ、リビングで過ごしていると…


(ヤバいな、少し眠くなってきた)


 俺は大きな欠伸をする。


「あら、眠そうね」


「あ、あぁ。ちょっと考え事しててな」


(「ルビアたちのことを考えてて眠れなかった」とか言えないからな)


「ふふっ、私たちのことを考えて眠れなかったのかしら?」


「!?」


「図星のようね」


 どうやら顔に出たらしい。


「レオくんが眠れなかったことは悪いことなのだけど、私たちのことを考えて眠れなくなったのなら、とても嬉しいわね」


「ま、まぁ。あんなことがあったからな」


「私たちのせいで眠れなくなったのなら、私が体を張って休ませてあげないとね」


「え?」


 ルビアの言ってることが分からず、困惑していると、ルビアはソファーに座っている俺の隣に腰掛け…


「さぁ、私の膝を使って少し休むといいわ」


 膝をポンポンと叩きながら、俺に提案をする。


「そ、そこまでしなくても……」


「私がいいと言ってるのよ?」


 そう言われても、ルビアの柔らかそうな太ももに目が奪われるだけで、俺の体は動かない。


 その様子に痺れを切らしたルビアが…


「全く何をしてるのかしら」


 そんなことを呟き、俺の頭を持って無理やり膝枕させる。


(や、柔らけぇ!)


 程よく筋肉が付いてるためか、弾力があり、俺の頭をダメにする。


「私の膝枕はどうかしら?」


「あぁ、とてもいいよ。このまま寝そうだ」


「ふふっ、それは嬉しいわね」


 徐々に瞼が落ちてきて、頭も働かなくなる。


 すると、俺の耳元で…


「レオくん、大好きよ」


 そんなことを囁かれた気がした。





 ルビアたちが俺の部屋に忍び込んでから数日が経つ。


 あの日から、ルビアたちが積極的にアプローチをしてきて、本気で俺のことが好きだということが伝わってきた。


 そのため…


「ってことがあって、最近寝不足なんだよ。モモ、俺はどうすればいいんだ?」


「うん。エッチして、ルビア姉さんたちと結婚すればいいと思う」


「…………………」


 『これしかないでしょ』という顔で言われました。

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