第15話 義母
まえがき アーデルハイトくんが登場するわけではないです
「取り下げさせて頂きます」
アンナ……どうして食べ終わると同時に出現するの? うーん、流石はグロスター家のメイドと言うべきかしらね。全く音を立てずに、食器を取り下げて悠然としているわ。
「お食事のあとですが、来客ですので少しお待ちを」
ジューナ様かぁ、お義母さんなのかな。私の予想通りだったら怖いと感じちゃう……まるで獲物を狙っているような目が恐ろしい! アーデルハイト様は目を閉じているか、青を伏せていた。一度ほどしか顔を見ていなけど、そんなに印象に残ってしまう。真正面から顔を向けられたらなんて、とんでもない!
「お邪魔するわね、ミーアさん」
「どっどうぞ!」
ノックが上品すぎて気づかなかった! ちょっと返事が遅れた気がするけど大丈夫よね? 怒られたら……ああ、想像すら出来ない恐怖が……
「ついさっきね、わたし達の愛息子が貴方のことを話してて、どうしても気になって部屋にまで来ちゃったのよ」
「えっ、あの人が?」
「や~ねぇ! もうあの人呼びなんて! 仲良くやれているようで安心だわ」
んー。仲は悪くないと思うけど、良くもないんじゃない? 単なる政略結婚というか、なんというか。
「わたし達はね、そもそもアーデルハイトと貴方を結婚させるつもりはなかったの。でもあの子、家の権力を高めようと自ら決断したのよ! 結婚ってね、家柄とか力で決めるものじゃないから……相性がいいみたいで安心したけどね」
うん、なんて親を思ういい子なんでしょう。綺麗すぎてもう、もう、もう! としか言えないわ……
「良い息子さんですね」
「それでねぇ! あの子、貴方をこの家に居させてやってくれ! ってわたし達に頼んできたのよ。わたしは大丈夫だし、お父さんも了承したんだけどね。あの子、わたし達にお願いしてきたの久しぶりだしねえ。ほんっと、この結婚は大成功わね!」
あっもう一時間も居たの! と言いながら、ジューナは去っていった。すっごくパワフルな人だったけど、アーデルハイト様には引き継がれていないのね!
……いや、さっき連れ戻されたときは強引だった。うん親子だわ!
どっちにしても居場所はないし、この家で一生を過ごせそうだから安心だわね! ラッキー!
あとがき 話短くなっちた!
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