とある作者の独り言 6)ご先祖様、どうして残しておいてくれなかったのですか

 作者です。

 「ヒトは毛のない猿である」どこかで聞いたことがある言葉です。調べてみたのですが、出典を見つけることができませんでした。


 ただ、ヒトの祖先は体毛を無くしたことで、暑さの中での長時間の運動が可能になり、狩猟に有利になったというのが現在の有力な説です。


 数年前まで毎年冬になると、とくに厳冬の年には、作者は無駄な愚痴を叩いておりました。

「ご先祖様はどうして毛皮を捨ててしまったの。暖かいのに」

犬猫はあたたかそうではありませんか。夏になると、都合よく、冬に繰り返していた愚痴を封印しておりました。


 数年前に愚痴を言わなくなった理由は幾つかあります。


 毛づくろいが面倒くさそう。換毛期の掃除が大変そう。そもそも全身毛皮なら、今の頭みたいに毎日全身シャンプーとリンスが必要になると気づいたときです。


 ドライヤーは今の片手持ちでは機能が不十分でしょう。各家庭に全身ドライヤーが必要になるのでしょうか。例えば、小さな個室の乾燥室とかどうでしょう。それならば、洗濯物も干せそうだから便利ですね。でも、洋服の必要性が下がるから、洗濯物も減るように思えます。光熱費が想像するだけで恐ろしいことになりそうです。


 理容室や美容室での髪の毛のカットでは、間に合いません。犬猫のようなトリミングのサービスが必要になりそうです。


 あれこれ考えて、私の「ご先祖様はどうして毛皮を捨ててしまったの。暖かいのに」という愚痴はなくなりました。


 次に思いついた残っていたら便利だったかもしれないものは、尻尾です。尻尾。それも、ニホンザルのような短い尻尾でなく、オナガザルのような長い尻尾です。便利そうではありませんか?


 霊長類研究所WEB博物館にある、「霊長類はどうしんかしてきたの?」という図をみると、ヒトはオナガザル科とは、遠い種類のようです。相当古い時代のご先祖様の時点で、尻尾とはお別れしたようですね。


 尾の有無は、生息環境に適応した結果であり、解剖学的に考えると尾がないことは、直立した姿勢をとるのに必要なことだったたそうですが。


 それでもね、尻尾、欲しいのですよ。特に両手が塞がっているときに。第三の手(足)で扉を閉めるのはちょっとお行儀が悪いですし。

 

(先日、第三の手の使用を目撃されてしまった作者の超絶長い言い訳)

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