12-2

 そして、次の土曜日にななのが来た時


「なんやのん? いきなり来てさー 気になったん? 私がシュウのこと 忘れてるって思ったんやろー 忘れてへんよッ 寝る前にだって いつも 私とシュウの写真に チュッ としてるんやでー わかったぁー ななのちゃんの顔見とおなったんやろー」


「まぁな あぁ ごめん ついな」


「ただね 私 恥ずかしいネン 前は何でも無かったんやけど シュウの彼女って・・ 私でええんやろかー とか いざ シュウに抱きしめられて・・キスを・・ 思い出してたら・・意識してしまって・・恥ずかしい」と、ななのは下を向いていた。


「ななのは 僕の彼女としては 上出来すぎる女性だよ 僕も いつも ななののことを想ってる」


「ウン うれしい」と、笑顔を返してきていた。僕にとってはとびっきりの笑顔なのだった。


「あっ そうや 今日のおかず 牛丼風な 小間肉やけど ななの特製やー」


「そうかー 楽しみだよ いつも すまん」


「なんで そんなん? 当たり前やんか 君の可愛い彼女だよ 彼氏の為やったら・・」


「なんか ななの 知らん間に成長してるなぁー 僕より大人かも知れないな」


「何ゆうてるん? 必死で 階段のぼってるって・・ゆうたやん シュウと一緒に・・」


 そして、帰って行こうとした時、少し戻って


「なぁ ちょっと 膝まげて」と・・・僕のホッペに


「おまじないが薄れてきたやろー」と、帰って行った。


 ななのは、男に対してはトラウマがまだ消えてないのだろう。思い返せば、出会った時から、僕から触ろうとすると、少し怯えたような感じがあったのだ。でも、自分から彼女なりに必死に表現してるんだろうなぁー と僕は思っていた。 

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