政略結婚の年の差婚(23歳)だけど幸せな恋愛結婚がしたい! な王女様の物語です。恋愛小説が愛読書のエレノア姫は、国同士の関係も周囲の悲嘆も侍女の現実目線のツッコミもものともせずに、まだ見ぬ婚約者と魂が惹かれ合うように恋をするものだと信じて疑わずに異国に嫁ぐのですが──
大丈夫かなあ、という読者の不安通り、エレノア姫に突き付けられる「現実」は甘いものだけではありません。嫁ぎ先でも浴びせられる同情、あるいは疑いの目、形だけの結婚を提案する婚約者(23歳年上)、貴族や王族の思惑──何よりも、「恋に恋しているだけだったの?」と気付いてしまったり。
挫けてしまってもおかしくないところ、それでも幸せな恋を諦めないエレノアが可愛く健気でそして強くて、心から応援したくなります。ふんわりとした憧れから「貴方だからこそ恋がしたい! 幸せになりたい!」と自分を見つめなおし、控えめすぎる婚約者(23歳年上)にアタックし続ける彼女に「そうだそうだ!」とこぶしを握ってエールを送りながら読んでいました。
恋をするって素敵だな、と心から思える可愛らしく心温まる作品、お勧めです!
16歳の王女エレノアの婚約者は、39歳の国王シルヴィス。
夢見るエレノアは期待に胸を膨らませてシルヴィスに会いますが、告げられたのは「親子ほど歳が離れているのはかわいそうだ。偽装結婚をしよう」
違う。違ーーーうっ!!
シルヴィス様はイケメンだし、お腹が出ていないし(ここ重要)、優しくて気遣い上手なんです。まさにイケオジ!
恋する気満々のエレノアは偽装結婚の提案に対し、「断固拒否します!」とはっきりと言います。
主人公のエレノアは前向きだし明るいし、めげない精神力の強さを持っています。魅力あふれる女の子です。
シルヴィスと恋する気満々のエレノアと、エレノアを子供扱い(?)して手を出さない決意のシルヴィス。
二人の距離や心の変化が楽しみな恋愛物語です。
さらには現実主義の侍女や性格の困った男たちなど、個性的な脇役がいい味を出しています。
読みやすくてノリのいい、可愛いお話です。