第55話 『聖女』はデートの誘いを受ける
き、恭平さんからデートのお誘いを受けてしまいました。
ゆ、夢じゃないんですよね? 幻聴でもないですよね!?
どうしましょう……顔がすごく熱いです。
それだけじゃなく、恭平さんからデートに誘われたのが嬉しすぎて、顔が勝手に緩んじゃいます……えへ。
実は、折をみてわたくしも恭平さんをデートにお誘いしようかと思っていたのです。
中間テストも終わったことですし、それを口実にどこか二人でお出かけをと思っていた矢先に、恭平さんからのお誘いですから、嬉しさが止まりません。
当日はうんと気合を入れて準備しましょう。
服もメイクもバッチリ決めて、恭平さんをドキドキさせます。
それと、このことは坂木さんに報告しなければなりませんね。
わたくしも、男の方と二人きりでお出かけする……デートは未経験です。
坂木さんならきっといいアドバイスをくれるはずですから───
「あの、柊さん」
「ぴゃあ!!」
わたくしがデートについてあれこれ思考や妄想をしていると、いつの間にか背後まで来ていた恭平さんに声をかけられていました。
「ご、ごめんね。急に後ろから声をかけちゃって」
「い、いえ。わたくしこそ、お待たせしてしまってすみません」
いくら返事を早く聞きたかったからっていっても、後ろから声をかけたのはやっぱり失敗だったな。
柊さん、すごく驚いてるし。
「そ、それで、どうかな?」
「その……わたくしで良ければ、ぜひご一緒させてください!」
断られるだろうと思っていたから、柊さんの返答に本気で驚いた。
「え……本当に?」
割と普通のリアクションだけど、予想外すぎて軽くフリーズしかけているだけなんだ。
「もちろんです。当日はよろしくお願いしますね」
「う、うん! こちらこそよろしくね」
こうして、僕は柊さんとデートの約束を取り付けることが出来た。
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