第4話



『来週から大学生活がスタートするな。講義ついていけるかなぁ』


『ゆうくんなら大丈夫でしょ!それよりあたしのほうがヤバそうかも』


『それもそうだな』


『ひどーい!』


 携帯電話越しに彼女の悲痛な声が聞こえてくる。

 新しい環境に不安もあるが、楽しみでもあった。


『サークルとかも楽しみだなぁ。どんなサークルがあるんだろう』


『あたし、園芸系のサークルがあったら入りたいな~』


『朝奈にはぴったりだな』


 彼女は花が好きだった。

 趣味でガーデニングをしており、結構本格的で見に行った時は驚いたものだ。


『大学が始まる前にどこか出掛けに行こうか?』


『ごめん。あたしちょっと病院に行こうかなと思ってて』


『大丈夫? どこか調子が悪いの?』


『う~ん。何かずっと風邪っぽいっいうのかな。だるくてさ。ちょっと喉も腫れてるし』


『そっか。無理しない方が良いな。ゆっくりと安静に過ごして、また大学で合おうな』


『ごめんね~。なるべく早く治すから』


『良いって。良いって。じゃお大事に』


『うん、バイバイ』


 少し残念だが、朝奈の体調の方が大事だ。

 またいつでも遊びには行ける。

 そう思って電話を切った。








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