第2話
「好きです! 付き合ってください!!」
景色の良い丘の上で一人の男が吠える。
俺、
相手は同じクラスの
美人で、明るくて、友達想いでクラスの人気者だった。
だからこれは賭けでもあった。
特に取り柄もない俺なんかには釣り合わなくて、きっと手の届かない存在だったから。
「嬉しい...... お願いします......!」
だから失敗するはずだったんだ。
キッパリと振られて、それを友達の間でネタにされ、男友達とふざけるだけの毎日に戻る。
そうだと思っていた。
「え......本当に俺でいいの?」
「うん。私で良ければこれからもお願いします」
彼女は微笑んだ。
顔が少し赤くて、恥ずかしそうに、けれど嬉しそうに。
俺の顔も熱かった。
きっと茹でたタコの様になっていただろう。
嬉しいなんて言葉では表せない程に力が湧いてきた。
自分は今世界で一番幸せで、出来ない事などないと思えた。
これが自分の人生において最高の瞬間だと思った。
その最高の瞬間は彼女と過ごす時間の中で更新されていく事になるのだが......
忘れられない出来事には変わりない。
嬉しくて嬉しくて、どこかに駆けていってしまいたくて、なかなか寝つけなかった。
寝てしまったら、今日の出来事が夢で済まされてしまいそうだったから。
でも、夢じゃなかった。
彼女との永いようで儚い時間はここからスタートした。
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