第14話 LV20の実力

014 LV20の実力


<標準的なLV20の冒険者の数値は、


体 力 HP  74 魔 力 MP   35


攻撃力 AT   49 防御力 DF  36

魔 攻 MA  73 魔 防 MD  35


筋 力  STR  24

知 能  INT  25

素早さ  AGI  22

器用さ  DEX  24

体 力  VIT  24

運     LUC  22


カナタが脳内に写し出してくれる。


何だと!体力が74しかないのか?

俺は1000になっているのに。

それ以外の数値は4倍近い差になっている。


万年ポンコツの鉄級冒険者だった俺が!


「こんなことが、」

<システム正常化と、スキル『カードの女神の加護』による成長力助長効果が発揮された結果だと推測されます>


気を利かしてくれたカナタだが、相変わらず声は無機質である。


スキル『カードの女神の加護』

今までそのようなものは存在しなかった筈。

冷たく、突き放して転生させたにもかかわらず、加護はくれていたのだろうか。

だが、その加護もシステムエラーにより効果を発揮できていなかったのだろうか。

とても、親切心があったようには思えないのだが。

確かさっさと死にさらせと俺を突き飛ばしていたのだが。(ジンの心の中では、すでにそのように誇張された記憶となっていた。)


ジンは知らなかったが、彼の成長はLV1の初期値のまま成長が停止していたのである。

そう、アクシデント、『呪い』の所為で。


その時、ジンは思った。

3枚ドローして大したことのないカードだったが、現状の能力を5%も上げる効果というのは凄い事なのではないかと。攻撃力200の5%は10つまり合計210もの攻撃力を有するのである。


限定された数しか引けないカードなのだから大事にしないと。と考えていたが、5%の数字は案外大きいのではないだろうか?


こうして気分がすっかりよくなったジンは、再度ドローに挑戦する気になった。

「カナタ、カードドロー」

<わかりました、ドロー>

キラキラン!


<コモン ゴブリンLV10 モンスターカードです>

<このカードを場に出すと、LV10ゴブリンが召喚されます>


いや、それはさんざんやってきたから。だが、実際は、カード大全に張り付けていたわけではないのだ。


だが、LV10とはコモンながらいいのではないか。

<倒されると、カードは喪失します>


それもさんざんやってきたから。

知らぬ間にたまっていた、LV1ゴブリン、LV1スライムを大量に失っていた。

そう、カードプレイヤーレベルを上げるために。


<喪失したカードは墓地に送られます>


ふうん、なんだか用語だけは本当のカードゲームみたいだな。

やっていることは、命がけの戦闘なのだがな。


墓地には、ゴブリンとスライムが山となって積まれているだろう。


「カナタ、カードドロー」

<わかりました、ドロー>

キラキラン!


<R エンジェルLV10 モンスターカードです>

<このカードを場に出すと、LV10エンジェルが召喚されます>


浮遊、弓で攻撃、キュアの魔法。

まさに後方支援のスペシャリストだ。

さらに、アンデッドに特攻。


これは、ゴブリン数体とこのエンジェルを展開すれば、ボス部屋を突破できるのでは。

<場に展開できるモンスターカードは、3枚までです>

「そうなのか?」

<そうなのです>


いや、そういうのはいらない。

夜はさらに更けてゆく。

俺の眠気は吹き飛び、興奮が高まっていく。

感じがしたのだが、急速に眠りにつこうとしていた。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る