第54話

 「・・・」

 

 俺の問いに対して、春はなかなか答えを返さず、ただただ無言んで黙り込んでしまった。

 

 懐かしいな。と思う。昔から春は都合が悪い時は黙り込むのだ。そして、目をウルウルさせて今にも泣き出しそうな顔をする。まるでこっちが悪い事をしたかのように錯覚してしまう。


 「はぁ。分かった、もう聞かないから」


 こっち折れる様な形になるのもお決まりみたいなものである。


 「・・・おにぃのスマホに子供用の見守りアプリが入ってるから・・・ごめんなさい」

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