第59話 新たな地へ

 魔王ゾールの城で一晩休んだ後に次の魔王がいる所へどうやって行こうか城で悩んでいたロッサ達。


「天空に住んでるって言うから空だよなぁ。」


「そもそも空って何処の空なのよ!」


「少なくとも私がすんでいた空域では無いのは確かだな。」


「あのエルフのおばさん元気にしてるかなぁ。」


 一方空中の集落に住んでいるエルフの長エリーは何故かムッとしていた。


「うん?何故か腹が立つぞ・・・?」


 そんな事を話していると扉を開けて魔王ゾールがやって来てロッサは魔王ゾールに次の魔王の居場所を聞いてみた。


「魔王カイスの場所かぁ。うーん、どこだっけなぁ。確かここから遥か北東の空域だった気がするんだけどなぁ、多分。」


 魔王ゾールはあまり魔王カイスの事を話したがらないようだった。それを察したのかロッサはここから遥か北東の位置にある事だけを聞いて旅立とうとしていた。すると魔王ゾールが馬なしの馬車をくれるというのだ。


「馬車だけ?馬は?」


 魔王ゾールはロウガを指さしこう言った。


「そこに居るじゃないかデカい狼が。」


 ロウガは久々に出番が来たと大喜びをしていた。


「主の為に馬車を引けるときが来るなんて!」


「大変だと思うけどいいの?」


 ロウガは間髪入れずに「はい!」と答えると奮起した。


 そしてロウガに装備を付けた後。


「さぁ行きますぞ!」


 大きな遠吠えをしたロウガは勢いよく進みだした。


「なかなかいい乗り心地ね。」


「馬の時よりいいかもしれん。」


 グローリは相変わらず乗り物に酔う体質は変わっていなかった。


「おぇっぷ。」


 隣にいるおっさんの事は置いといてロッサはロウガを褒める。


「みんな喜んでるよロウガ!」


 ロウガは嬉しくなったのか尻尾を振りながら急に走り出した。


「ぬわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 走り出すロウガにロッサ達は引っ張られ旅立つのであった。


 数日後。マナがまたもや愚痴を垂れていた。


「まだ着かないのぉ?」


「流石にね、大陸が丸いから遠回りして北東に行かなきゃならないからね。」


 そうなのである。ロッサ達が旅をしている大陸は円の様な形をしていて海を渡れば一直線に行けるが魔王ゾールによるとこう話していた。


「多分だが魔王ノーティカが船を襲うぞ?それでもいいなら行けばいいさ。」


 確かに海が縄張りの魔王ノーティカなら襲うだろう。


「あんなこと言われたら陸地から行くしかないでしょ。」


「そうだなぁ!うぇっぷ。」


「相変わらず三半規管が弱いなぁグローリは!」


 そんな事を話していると目の前に町が見えてきたのである。数日ぶりに人に会えるのをワクワクしながらその町へ入っていくロッサ達であった。


「今回は平和だったなぁ。」


次回へ続く・・・。



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