第44話 闘技大会開催
寂れた空き地で一週間過ごしたロッサ達は闘技大会に出場する為に中央都市のコロシアムに来ていた。
「なんかすごい数の魚人達ね。」
それはそうである。ロッサ達以外は全員魚人族しかいないのだから。するとロッサ達は周りの魚人達に鋭い視線を送られていた。それを感じ取ったロッサはこう言った。
「完全にアウェイだね。」
「なぁに!戦いに集中したら気にならなくなるぜ!」
「そんなもんかね。」
ロッサ達は受付を済ますと選手達が待機する待合室に通された。すると一人の魚人の男がロッサに挑発してきた。
「はぁん。お前が噂の人間か?なんか弱っちそうだな!」
ロッサはこの時自分達が噂になっていることを不思議に思った。
「噂?なんで噂になってるの?」
「へっへっへ!それはな。今回の闘技大会で人間を倒したら賞金が貰えるんだよなぁ!これが!」
これはロッサの推測だがロッサ達が空き地で身を置いている時に魔王ノーティカが国中に人間を倒せば賞金が出ると喋ったのだろう。空き地がある場所は人通りも無い場所だったので話が回ってこなかったのだうと思ったのだった。
するとロッサは周りの視線に気が付く。周りの魚人はロッサ達を見る目が物凄かった。まるで獲物を狙っているかの様な視線だったのだ。そんな視線にマナが少しうろたえる。
「私達って狙われてる・・・。」
「大丈夫さ!返り討ちにするまでだ!」
「そうだよ。一年間戦って強くなったんだ。自分達を信じよう!」
魔王ロックハートの元で戦い続けた経験は計り知れないほどロッサ達の為になっていた。それは戦ってみれば分かる事だろう。
大会の予選は各ブロックに分かれており総当たり戦で戦って行き勝ち数が一番多い者が本戦に上がれると言ったものだった。予選はAからHブロックまでありロッサ達は均等にバラバラに分かれた。
「それじゃあ、お互いに頑張ろう!」
その言葉と共にそれぞれのブロックに別れるロッサ達。
ロッサ達は各ブロックで戦ってみると魚人たちも強いがそれを簡単に倒していたロッサ達であった。さきほどのロッサに挑発していた魚人もマナに倒されていた。
「そ、そんな!馬鹿な!」
「私達を舐めるからこうなるのよ!」
数時間後無事に各ブロックの本戦出場者が決まっていた。ロッサ達四人は全員本戦に進んでいた。だがしかし周りの魚人達も一筋縄では行かないような強者が多数いる。ロッサは魔法鑑定で本戦出場者の魚人達を確認してみた所他の三人と良い勝負をしそうな者もいた。
そしていよいよ本戦が始まろうとしていた。
「それではぁ!第七十五回闘技大会本戦を開催しまぁぁぁぁぁす!」
観客の歓声がロッサの元まで届くほど鳴り響いている。
「ついに始まるんだね。やってやる!」
「強くなった私達を確かめるのに丁度いい場所だわ!」
「おうよ!かかってこいや!魚人族!」
「警戒を怠るなよ!」
はたしてロッサ達の誰かが優勝することはできるのだろうか。
「まぁ、大丈夫でしょ。」
次回へ続く・・・。
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