10、筆名を考えよう

 書いた小説をWEBで公開する上で、とても重要なことを忘れていました。


 それは『筆名ひつめい』です!


 筆名=ペンネームは、文章や絵を発表するとき使う名前のことです。著作権を示すためにも明記した方がいいでしょう。

 筆名は、本名ではなくて大丈夫です。

 むしろ、個人情報などのセキュリティの観点からも、本名とは別にしておいた方が安全かと思われます。


 筆名はどんなものをつけても自由です。

 外国人のような名前でもいいですし、男性が女性的な名前を使っても、女性が男性的な名前を使ってもいいと思います。

 書きたいジャンルや投稿したい賞に合わせた筆名もいいかもしれませんね。

 

 男性的なお名前だけれど、実は女性の作家・漫画家さんには有川浩さん、荒川弘さん、尼子騒兵衛さんなどがいますね。

 逆に、女性的なお名前だけれども男性作家さんに北村薫さんがいます。

 男女どちらの名前だから有利ということは、今の時代あまりないと思いますが読んで欲しい読者対象に合わせるのも工夫かも知れません。

 また、ジャンルによって複数の筆名を使い分ける作家さんもいるそうです。

 筆名によって、スイッチが切り替わるのかも知れないですね。


 とはいえ、始めはひとつの筆名で長く使えそうなものを決めるといいのではないかと思います。

 理由は簡単で、小説投稿サイトに複数の筆名で発表すると読者が追いかけにくいからです。

 折角、気に入ってくれた読者さんが『この作者の他の小説も読んでみたいかも?』と思ったときに、実は他の筆名でも発表していますから、こっちもお願いしますとなると、同一人物かどうかは確認しようもないですし読者を困惑させてしまいます。

 投稿する側も複数の筆名を使い分けるのは大変ですから、複数の筆名を使い分けたい人は慣れてからがいいかと思います。

 

  *


 筆名=偽名を持つことで、知り合いから『あの人はこんな小説を書いているんだ』とか『実はこんなことを考えてるの?』と、いらぬ詮索をされるのを防ぐ効果もあります。

 私の学生時代には、まだこういった小説投稿サイトなどは流行していなかったため、読者といえば友達しかいませんでした。

 印刷したものをときどき友達に読んでもらっていました。すると友達は作中の登場人物に私(作者)を重ねるんですね。実はこういうことを考えているのかとか、恋愛物ならこういうタイプが好みだったのかと言われてしまうこともしばしば。苦い経験です。

 筆名=匿名で小説が発表でき、見知らぬ読者と出会えることは本当に便利で素晴らしいことだと思います。

 

  *


 先日、ツイッター上でみなさんの筆名の由来はなんですか? というアンケートを取りました。

 結果はこのような感じです。


・自作の登場人物名(キャラ)から 5.3%

・本名やあだ名のもじったもの 34.4%

・好きなものや場所などから 29.1%

字面じづら、音の響きなどから 31.2%

 (回答数189票)


・その他

 姓名判断。画数が良いものを選んだ。

 友達に名付けてもらった。

 SNSで使用していたハンドルネームをそのまま筆名にした。

 

 と、筆名の由来はみなさん色々でした。

 実は、私の筆名である『天城らん』は中学生の時にノートに書いていた小説の登場人物に由来しています。筆名の由来では少数派でしたが、中学時代からずっとこの筆名を使用しているので愛着もひとしおです。


  *


 以前は、筆名と言えばちょっとカッコいいというか中二病的な感じの物が好まれていたような気もしますが、現在は自由度が増したのか『ん? ホントにその名前でいいの!?』と思うようなびっくりするような、面白い筆名の方も多いですね。


 筆名を決める上で一つ注意したいのは、有名人と同姓同名。漢字も読みも同じものは避けた方がいいでしょう。記憶に残りやすいですが、なりすましと思われたりするのは非常にマイナスです。

 大好きだからどうしてもあやかりたいといった場合は、名字だけ名前だけというように工夫して下さいね。

 

 筆名は偽名ですがSNSのハンドルネームと同様に、不正をしたり、誰かを傷つけたりしてもバレないと言う物ではありません。

 自分が書いた大切な小説を発表するための名前です。

 著作と責任を示す大切な名前ですので、第二の本名と思って、ぜひ長く共に歩める素敵な筆名をつけて下さいね。

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