第3話 襲撃者
「セレス様、本日はアルベル団長様はいらっしゃらないのでしょうか?」
令嬢達は舞踏会の度にセラスタ騎士団の団長がいないかを確認してくる。さらに、セラスタは舞踏会に一回も護衛で来たことが無いから尚更令嬢達は団長がいるかどうかを常に気にしている。
「私と兄の関係は険悪ですので私の護衛にくることは無いと思います」
「そうですか……早くお2人の仲が良くなることを願っています では、失礼いたします」
いつも同じ内容の質問を何回もされて、すごく帰りたくなる。だから舞踏会には行きたがらないのだが、公爵家ともなると簡単に舞踏会をサボれないのが難だ。
「セレス、顔」
「ん~?」
「セレス、お前顔ひどいぞ」
「じゃあ帰る」
「「駄目」」
「ちっ」
アレストもセレストもいろんな令嬢から騎士団の質問や、団長のことを聞かれ続けてたから3人とも何もしてないのに疲れていた。その後何回もダンスの誘いを受けて踊ったからさらに疲れた。
「1時間経った! 帰る!」
「分かった分かった。アレスト、俺が付き添っとくから挨拶行ってくれるか?」
「いいよ~」
帰る前に話しかけてきた令嬢がいたからその令嬢と最後に話をして帰り支度をした。
「セレスト、アレスト呼んでこい。」
「多分アレストも気づいてる」
アレストの方を見るとアレストもこちらを見ていて目があった。目があってすぐにこっちに向かった。
「俺一旦支度しに行……」
言いかけたら窓が大きな音を出して割れた。窓の割れた音と舞踏会場にいる人の悲鳴が重なった。
「セレス、避難誘導したら支度して帰っておいで。僕とセレストで足止めする」
「分かった。すぐ戻る」
避難誘導をしながら、カルエトに連絡して、カルエトと合流した。
「カルエト、避難誘導と保護頼む」
「了解っす!」
カルエトに保護を頼んだ人達に見られないようにしながら、騎士団本部に戻ってドレスを着替えて、剣を用意して走って舞踏会場に向かった。
途中で避難誘導をしていたカルエトと会ったから『援軍を連れてくるように』伝えた。
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ーーー舞踏会場
「数が多い」
「キリがないね。それに僕が攻めれないのがキツイね」
アレストが遠距離メインで防御に徹するしかなかったからセレストが上手く攻めきれない状況だった。
「天下のセラスタ騎士団副団長様がこんな雑魚なのかよ! こんなのが副団長なら団長もさぞ弱いんだろうな!」
「僕はしょうがないけど、団長とセレストは弱くないからね」
「アレスト、ストップ」
アレストが相手の間合いを詰めようとしていたらセレストがアレストのマントを引っ張って引き留めた。
「一番聞かれたらいけないやつが今の言葉を聞いてたな」
セレストが呟いた瞬間舞踏会場の中に雷が落ちた。
「弱くないから騎士団副団長なんだぞ。ってもう聞いてないか。情報引きだしたいから本部に連れて行こう」
舞踏会場に落ちた雷が直撃し、舞踏会場にいた襲撃犯達は気絶していた。
「お! ちょうどいいタイミングで来たなカルエト!」
「もう終わったんすか?」
「おう!」
気絶して倒れている襲撃犯達を拘束しながら服のポケットとかにある物を探した。
「セレスト。何かあったか?」
「いいや。何もない」
「俺も無かった」
全員の拘束が終わって、本部に運ぼうとした時、割れた窓から何者かが発煙筒を投げた。
「全員下がれ!」
全員を下げて風を起こして煙を飛ばした。煙が無くなってアレストがすぐに様子を見に行った。
「……やられたね」
拘束した襲撃犯は全員殺されていた。
「俺とセレストで調べる。アレストとカルエト達は避難してる人の安否確認と周辺の調査してくれ」
「了解っす!」
「分かった」
(さて、殺されてるっていうのが引っ掛かるな。あの一瞬で全員殺すのは難しい。……それと襲撃犯が持ってたブローチ、これも調べないとな。このブローチに書かれてるのは……)
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