最終話 続きは戦いのあとで……
ユウとマオは大陸の北にある岬にいた。二人きりで。
北風は冷たく、二人の髪をはためかせる。しかしそんなことを気にせず、二人はじっと海沿いを見つめていた。
その視線の先には巨大な機械戦艦が2隻。そこから機械仕掛けの兵士がうじゃうじゃと砂浜に降りてきた。そう、攻めてきた北国とは発達した機械が人間の国を乗っ取って誕生した機械帝国。国一つじゃ満足せず、こちらの大陸も支配しようと目論んでいるらしい。
「この戦いが終わったら、私、ユウちゃんに言いたいことがあるんだ」
「私もよ、マオ」
二人は指と指とをしっかりと絡めて「恋人繋ぎ」していた手をほどき、戦闘態勢に入る。
「さあ、ユウちゃん。行こう!」
「あ、ちょっと待って」
ユウはそう言うと、マオの目の前に立ち、彼女の唇に軽く口づけをした。
「……っ!」
マオの顔が真っ赤になる。そんなマオを見たユウも顔を赤らめる。
「戦いが終わったら、今の続きをしましょ……いいでしょ? マオ」
「……秒で終わらせちゃう!」
身体中から地面が震えるほどの闘気を放出しながら、ユウとマオは剣を片手に走り出した。
余談ではあるが、戦闘が本当に秒で終わったのは言うまでもない。
< 完 >
ユウとマオ 〜勇者と魔王、壮絶な戦いを繰り広げるはずが、なぜかお互い一目惚れしてしまいまして〜 まめいえ @mameie_clock
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