13話 説得
「言いたいことはわかったわ。可哀想だし話せるなら戦わなくても良いんじゃないかってね」
「じゃあ!」
「無理よ」
「そう決めつけなくても……」
「気持ちは理解出来るって話と実際出来るかどうかは別だと思うわ」
「私も
(らん……ちゃん?その内どっかの探偵ボウズ見たいにならねぇだろうな?ってそんな事はどうでも……)
「
「だってお兄ちゃん死んじゃってたかもしれないんだよ!許せるわけないじゃん!」
桜夜は珍しく怒った様子で言った。
「でも本当に殺そうとしたならあの状況で撤退するのは不自然じゃないか?」
「人は自分に都合良く事実をねじ曲げようとする物よ。貴方が見た記憶だって真実とは限らないわ」
「そうだよ!それに本当だったとしてもお兄ちゃんを危ない目に合わせたことは許せない!」
話し合いは平行線だ。実際に体験した俺とは違い二人にこの感情を理解してもらうのは難しいかもしれない。
「二人の言う事も一理あると思う。だけどもし次戦うことになったら、俺に少し時間を貰えないか?」
「……しかたないわね」
蘭子は見た目にそぐわないため息をつき、そういった。
「お兄ちゃんがそんなに言うなら仕方ないかぁ〜」
桜夜も不満そうな表情だが一応納得してくれたみたいだ。
「でもあっちが話しを聞く保証はない。攻撃して来たら私は容赦しないから。そのつもりでね」
「あぁ分かってる」
アイツ……イルはきっと救いを求めてる。
誰も手を差し伸べ無かったんだ……
俺が今まで見てきた主人公ってのはそういう奴にこそ!
手を差し伸べるやつらばかりだった。
(俺がアイツを……助けてやらなくちゃ)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます