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目次
また夏がくる
ゴールデンウィークが終わった
5月もあっという間に終わるやろう
そしたら梅雨がきて
すぐに夏になる
夏は切ない季節や
胸の奥に棲みついとるような想い出は
きまって夏の情景のなかにある
暑いんは昔から苦手で
ギラギラの太陽も
流れ落ちる汗の感触にも
毎回悩まされるのに
なんで想い出になった途端に
あんなセピア色の
柔らかい優しい顔を見せるん？
そんなんズルいやん
続く海への道とか
いつも行きよった寂れた民俗資料館とか
あの土埃と潮の匂いとか
それから
ずっと耳の奥で鳴き続ける蝉（せみ）の声
夏は終わっていく季節
やから懐かしいで
胸を締めつけられるんよ
夏は残酷な季節や
二度と還らん
愛しいものたちのことを
思い知らされる
あの日失くしてしもうた
サンダルの片方みたいに
風に飛んでった
麦わら帽子みたいに
わたしは夏が好かん
好かんで
でも
恋しい
永遠に叶わん片想いみたいに
夏を思い続ける
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