霧雨の降る森

霧雨の降る森は

ひんやりとして心地よかった

憂鬱や哀しみも

静かに流してくれるようで

わたしは靴を脱いで裸足になる

若葉の匂いに包まれて

足裏に土を感じていると

張り詰めていた胸が緩んだ



雨の音に気づけば

薄闇の部屋にひとり

ああ、灯りをつけなければ



それでも目を瞑れば

わたしは

霧雨の降る森へ

還って行ける

あの懐かしき清浄のなかへ


きっと、この心はいつでも

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