異星人

暖かくなってきたのは

喜ぶべきことなんだろうな

大抵の人は

冬よりも春を待ち焦がれる


温もってきた空気に

息苦しさを感じてしまうわたしは

何処かコワレているのかもしれない


口をパクパクさせて

澄んだ名残りを吸いこもうとして

コホコホと咳き込む


馴染めぬ大気に

ムズムズとして

クシャミが止まらなくなる



地球に生まれたつもりでいたけど

わたしは何処からか迷い込んだ

異星人なのかもしれない

なんて

そんな夢想をしながら



窓ガラス一枚隔てた外は春爛漫はるらんまん

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る